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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv54 老賢者との再会
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棚、それから地図といった物が置かれている。
 正面には、ヴォルケン法院長の部屋にもあったような、黒光りする書斎机があり、そこには50代半ばと思われる中年の騎士が座っていた。いるのはこの人だけだ。
 茶色い髪をオールバックで流し、彫の深い眼鼻ではあるが、整った顔立ちの男であった。
 顎や口元にはワイルドな髭を生やしており、また、やや浅黒く日焼けしている事もあってか、年の割に精力がみなぎる風貌をしていた。
 上背もかなりあり、首はかなり太い。相当に鍛えられているのだろう。
 金と銀の鎧を装備している事もあり、気品も同時に感じられる。
 全体的な雰囲気は、知的な武人といった感じだろうか。それに加えて、非常に物静かな雰囲気を持つ男であった。
(部屋にいるのはこの男だけ……つまり、この人がヴァリアス将軍だろう……ウォーレンさんやアヴェル王子との会話でよく出てくる、あの将軍だ)
 俺達が室内に入ったところで、書斎机の男は立ち上がり、ヴォルケン法院長に一礼した。
「これはこれは、法院長。ようこそ御越しくださいました」
「お仕事中に申し訳ない、ヴァリアス将軍」
「……して、今日はどのようなご用件で?」
「この男の事で……ヴァリアス将軍に話があるのだ」
 ヴォルケン法院長はそう言って、俺のフードを捲り上げた。
「アマツの民……。この者……拘束具をつけられておりますが、一体何をしでかしたのですか?」
「うむ。実はの……」――


   [V]


 ヴァリアス将軍とヴォルケン法院長の会談は20分程度で終わった。
「……では、後の事はよろしく頼みましたぞ、ヴァリアス将軍」
「ご安心ください、ヴォルケン法院長。私共で、この男の件は、しっかりと対処致します。お気をつけて、お帰りください」
「うむ。では、これにて失礼しよう」
 そしてヴォルケン法院長は、ここから退出したのである。
 残ったのはヴァリアス将軍と、ラサムという魔導騎士だけであった。
 重苦しい静寂が漂う中、ヴァリアス将軍は厳しい表情を俺に向けた。
「さて……では行こうか。……異端者、コータローよ」
 ラサムは俺に括られたロープをグイッと引く。
「行くぞ、異端者よ」――

 部屋を出た俺は、前後を2人に挟まれる形で通路を連行された。
 すると程なくして、開けた部屋に出る。
 そこはホールみたいな感じになっており、それなりに高級そうなテーブルや椅子などが幾つも並んでいた。
 周囲の壁には、王家の紋章と王の肖像画と思わしきモノが掲げられており、天井には周囲を明るく照らす、煌びやかなシャンデリアが吊り下げられている。
 また、テーブルや椅子には、魔導騎士や宮廷魔導師と思われる者達が沢山おり、談笑したり、真剣に何かを話し合ったりしている最中であった。
 恐らく
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