Lv52 仲間との別れ
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てしまって……」
4人は頭を振る。
「気になさらないでください。貴方がいたからここまで辿り着けたのですから」
「コータローさんの機転に何度救われたことか」
「そうよ、コータローさん。これじゃ足りないくらいよ」
「シェーラの言う通りです。それに私は、日を改めて、コータローさんにお礼をしたいと思ってるのですから」
サナちゃんはそう言って、また俺に抱き着いてきた。
「あぁ!? サナさん、またですか? さっきのは良いですけど、この空気の中では駄目ですわよ!」
「先手必勝です」
「なら私も」
俺は2人に抱き着かれた。
(なんか複雑な気分だ。嬉しいような……悲しいような……まぁいいか)
と、ここで、サナちゃんが俺に話しかけてきた。
「コータローさん、それはそうと、昨晩の話の続きが聞きたいです。今いいですか?」
「へ? 昨晩の話の続き……何の話だったっけ?」
「忘れたんですか。昨晩話してくれたじゃないですか。確か……ローレシアとかいう国の王様が、実の息子に50ゴールドと銅の剣だけを渡して、お供も付けずに、1人で魔物討伐に行かせたという、凄い話の続きですよ」
「あ、それ、私も気になってましたの。確か、サマルなんとかという国の王子と、どっかの街でようやく合流したところで終わってましたわ。その続きを聞かせてください」
そういえば、昨晩、そんな話をしたのを思い出した。
ここでラティがボソリと呟く。
「なんやねん、その話……王様が息子に、50ゴールドと銅の剣だけで魔物討伐って……ある意味、虐待やがな。ワイが寝た後、そないな恐ろしい話してたんか」
「ほ、本当ね」
ゲームだからあまり気にならないが、リアルだと、ラティとシェーラさんの反応が普通だろう。
まぁそれはともかく……。
「ああ、あの話の続きか。いいよ。ええっと合流した2人の王子はね、その後……」――
とまぁそんなわけで、俺は彼女達に、悪霊の神々という物語の続きを語る事となったのである。
[V]
翌日の昼食後、晴れ渡る空の元、ラミナス公使とアレサンドラ家の使者がウォーレンさんの屋敷に訪れた。
一緒に旅をしてきた仲間達とも、とうとう別れの時がやってきたのである。
その去り際、俺はアーシャさんとサナちゃんに、この言葉を贈った。
「またお会いする事になると思うので、その時はよろしくお願いしますね、2人共」
「ええ。こちらこそ、よろしくお願いしますわ」
「私も、その時は、よろしくお願いしますね」
アーシャさんとサナちゃんは、目が潤んではいたものの、涙は流さなかった。昨晩の話が効いたのだろう。
実は昨晩、俺は2人だけに、とあるお願いをしたのだ。そこで今後についての話を色々としたので、また会えると安心したのかもしれない。とは
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