Lv52 仲間との別れ
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最近、コータローさんは忙しそうでしたから、もしかしたら明日も……と考えてしまいましたわ」
「私もです……」
「それは大丈夫ですよ。ところで、明日はいつ頃、使者がお見えになるんですか?」
「私は昼過ぎと聞いておりますが」
「私もそのくらいです」
どうやら同じような時間帯に、お迎えが来るみたいだ。
「昼過ぎですね。了解しました。それまではどこにも行かず、皆と一緒に過ごす事にしますね」
「コータローさん……」
サナちゃんはそこで俺に抱き着いてきた。
「あ!? サナさん、またですか!? なら……」
「へ?」
するとアーシャさんも俺に抱き着いてきたのである。
なんか知らんが、両手に花の状態? であった。
(……お、俺ってもしかして……今、モテてるのか……ふわぁ〜、2人共、良い香りだな……)
「鼻の下伸びてるで、コータロー」
「ほっとけッ……ン?」
と、そこで、扉がノックされたのである。
続いて、扉の向こうから声が聞こえてきた。
「コータローさん。レイスにシェーラだ。お疲れのところ申し訳ないが、今、良いだろうか?」
その声が聞こえるや否や、2人はササッと俺から離れ、身なりを整えだした。
流石の2人も、この状態は恥ずかしいのだろう。
「ええ、構いませんよ。どうぞ、お入りになってください」
「では失礼する」
扉が開かれ、レイスさんとシェーラさんが中に入ってきた。
2人はサナちゃんに気付き、頭を下げる。
「やはり、こちらにおられましたか、イメリア様」
「はい」
サナちゃんは屈託のない笑みを浮かべる。
レイスさんとシェーラさんはそんなサナちゃんを見て、穏やかで優しい表情を浮かべていた。
なんとなく、我が子を見守るような表情であった。
これまでの逃亡生活で、こんな風に微笑むサナちゃんを見る事がなかったのかもしれない。
まぁそれはさておき、要件を聞いておこう。
「どうされました、レイスさんにシェーラさん。留守中に何かありましたかね?」
2人は、いつにない畏まった表情で口を開いた。
「コータローさん……我々は明日の昼過ぎ、この屋敷を出て、イメリア様をフェルミーア様の元へとお連れする。貴殿とアーシャ様のお陰で、我々は無事、任務を達成する事できそうだ。こんな間際になって申し訳ないが、礼を言わせてほしい。……王都まで我々と共に旅して頂き、誠にありがとうございました。我々は貴方がたに救われました」
「レイスさん、そんな畏まった礼は必要ないですよ。俺達は目的を共有した旅の仲間だったんですから」
「そうですわ」
シェーラさんは頭を振る。
「そういうわけにはいかないわ、コータローさん。私達はザルマの一件で、貴方がたに大変な迷惑をかけてしまったのだから。あの時は本当に申し訳ありませんでした」
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