Lv50 隠された道標
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[T]
俺達が休憩を始めて30分くらい経過した。
ラティはまだ姿を見せない。未だに戻らないところを見ると、この先は長く険しい道となっているか、もしくは、途中で何かがあったのかもしれない。
(遅いな、ラティの奴……奥でトラブルでもあったのか……まぁいい、もう少し待とう……)
ふとそんな事を考えていると、またアヴェル王子が質問してきた。
「コータローさん、質問ばかりで悪いですが……あの魔物は戦いの最中『俺の事をどうするか?』と、謎の声に問いかけてました。これについて、貴方の意見が聞きたい」
「それなんですが……実を言うと、俺も引っ掛かっているんです。しかも、謎の声はその後、『代わりは他にもいる』と答えてましたからね」
あの会話の流れからすると、考えられる可能性としては……デインを使える者か、王位継承候補者としてか、はたまた直系の王族の1人としてか……ま、大体こんなところだろう。
その中でも可能性が高いのは、言わずもがなだ。
「……となると、代わりというのはやはり……デインを使える者の事を指しているのでしょうか?」
「断言はできませんが……その可能性は十分あると思います」
「やはり、そうですよね……」
アヴェル王子は神妙な面持ちになり、口を真一文字に結んだ。
と、ここで、ウォーレンさんが話に入ってきた。
「それはそうとコータロー、あの声の主もそうだが、今回の一連の出来事について、お前はどう考えている? 俺は漠然とだが、非常に嫌な予感がしてならないんだが……」
「ウォーレンさんの言う通り、嫌な予感はしますね。そして……得体の知れない何かが裏で蠢いているのは、まず間違いないでしょう。ですが、釈然としない部分も多すぎますから、今はまだ、安易に結論を出すのは避けたほうがいいと思います」
「確かに……我々は、まだまだ知らないことが多すぎる。冒険者の中に魔物が紛れているという事も、昨夜、知ったばかりだし……。これは、相当気を引き締めてかからないといけないぞ、ウォーレン」
「ええ、仰る通りです。この分ですと、冒険者のみならず、王城内の者や、イシュラナ神殿の神官の中にも、魔物が紛れている可能性が否定できません」
2人は険しい表情になり、互いに顔を見合わせた。
「ウォーレン……ここから生還した暁には、早急に、ヴァリアス将軍に知らせねばな」
「ええ、勿論です。事は、イシュマリア国の存亡に関わります……」
「ああ……」
ウォーレンさんはそこで俺に視線を向ける。
「ところで、コータロー……あの謎の声、確かアシュレイアとかいう名前だったか……この魔物について、お前はどう思う? この近くにいると思うか?」
「それは流石にわかりませんね……近くにいるのかもしれませんし、いないのかもしれません。ですが、結構時間が経っ
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