Lv48 死闘の行方
[1/14]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
[T]
《……ヴィゴールよ……そなたに命ずる。この者共を全て始末せよ。生かして返すな……確実に始末せよ……》
【ハッ、アシュレイア様の仰せのままに……。必ずや仕留めて御覧に入れましょう……】
何者か知らないが、地の底から響くような声の主は、俺達を始末するよう、ヴィゴールに指示を出した。
そしてヴィゴールはというと、声の主に頭を垂れ、恭しい所作で敬意を表しながら、それを承諾したのである。
俺はこれに少し違和感を覚えた。
(え? ……どういう事だ、一体)
ヴィゴールの低い声が聞こえてくる。
【ククク……さて、ではお前達を確実に始末する為に、もう1つ手を打っておくとしよう……】
するとヴィゴールは、棍棒を振り回しながら、俺達にゆっくりと近づいてきたのである。
俺達は奴の動きに合わせて、ジリジリと後退してゆく。
程なくして俺達は、空洞の壁際へと追い込まれた。
と、ここで、アヴェル王子の大きな声が響き渡る。
「皆、奥に伸びている空洞へ下がれッ。奴と距離を取るんだッ!」
王子の声に従い、俺達は奥の空洞へと下がった。
するとそこは通路のような感じで、幅10mに高さ10mは優にありそうな空間であった。
それが奥に延々と続いているのだが……この空洞は俺の記憶にない所であった。恐らく、初めて足を踏み入れる場所なのだろう。
(この空洞は、今朝見せてもらった見取り図だと、どの辺りなんだろうか。俺達がさっきいた林の位置とかを考えると、多分、大空洞に入ってすぐ左にある通路状の空洞だと思うが……まぁ何れにせよ、俺の行っていない所だ。となると、この先に魔物がいる可能性も0ではない……。はぁ……悪い方にばっか転がるな。ついてない。ン?)
と、その時であった。
ヴィゴールは、俺達が今潜った空洞入口に差し掛かったところで、突然、立ち止まったのである。
そこでヴィゴールは天井を見上げた。
(なんだ一体? 何をするつもり……ま、まさかッ!?)
暫し天井を眺めたところで、ヴィゴールはボソリと呟いた。
【フム……この辺りが良いか。後ろの空洞ほど広くはないが、ここでも十分、我の力は発揮できよう。フンッ!】
と、その直後、ヴィゴールは真上に跳躍し、空洞入口付近の天井に、重い棍棒の一撃を見舞ったのである。
―― ドゴォン! ――
洞窟内に大きな激震が走る。
破壊音と共に、奴の背後にある天井がゴトゴトと音を立てて崩れ始めた。
ヴィゴールは更に何発か、天井に向かって棍棒を振るう。
俺達の頭上にある天井からも、パラパラと小さな破片や土埃が雨のように降り注いだ。
そして瞬く間に、奴の背後にある空洞入口は、降り積もった瓦礫で埋め尽くされてしまったのである。
そう……なんと奴は、通路の入
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ