Lv48 死闘の行方
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のである。
「この糞野郎ッ! よくも兄貴をッ! ウワァァァ!」
なんとボルズが剣を抜き、奴に飛び掛ったのだ。
ボルズは怒りで我を忘れていた。
そして次の瞬間、俺が斬り落とした左手首の断面に、ボルズの刃が食い込んだのである。
【グッ……おのれ、この蛆虫がぁぁ!】
ヴィゴールは顔を顰めつつ、ボルズを棍棒で薙ぎ払った。
「ガァァ」
ボルズは壁に叩きつけられる。が、すぐに立ち上がり、ボルズは攻撃を再開したのである。
「テメェはぶっ殺す!」
今のボルズは怒りでバーサク状態であった。
(バルジさんの犠牲によって、ボルズのリミッターが外れたようだな。まぁそれはともかくだ。今の内に、とりあえず、バルジさんの容体を見ておこう……。ボルズは死んだと思っているようだが、まだそうと決まったわけではない)
というわけで俺は、ヴィゴールがボルズに気を取られている今の内に、バルジさんの元へと向かう事にした。
その際、俺はキレたボルズとヴィゴールの戦闘をチラ見する。
すると思いのほか、ボルズは善戦していたのである。
ボルズはヴィゴールの棍棒を掻い潜り、奴に斬りつけていたのだ。
オドオドとしていたさっきのボルズからは、考えられない光景であった。
(中々やるじゃないか……。ここにきて、アイツは壁を越えたのかもしれない。ま、それはさておき、今はバルジさんだ。奴がボルズへと意識が向いてる内に、治療ができるならしておかないと……)
程なくしてバルジさんの元へとやって来た俺は、まず口元に耳をやり、呼吸音を確認した。
しかし、呼吸音は聞こえなかった。
(息はしてないな……。次は鼓動だが、今は鎧を脱がすわけにはいかない。手首と首筋から脈を確認しよう)
俺は手首と首筋に手をやり、触診した。
すると、トクトクと脈打つ振動が伝わってきたのである。
(やはり、まだ死んでない。今なら多分、間に合うはずだ……。とりあえず、ベホイミ2発いっとこう)
俺は魔力を両手に分散させ、バルジさんにベホイミを唱えた。
と、その直後……。
「ゴフッ、ゴフッ……ハァハァ」
バルジさんは血を吐きだすと共に、息を吹き返したのである。
出血も止まったので、傷もかなり回復したんだろう。
とはいえ、出血量が多いので重傷には違いないが……。
と、ここで、バルジさんの仲間の1人がこちらにやって来た。
それは若く美しい魔法使いの女性であった。
悲痛な面持ちで、女性はバルジさんに呼びかける。
「バルジッ、しっかりして! ねぇバルジ!」
俺はそこで口元に人差し指をやり、シーというジェスチャーをした。
「静かに……大丈夫です。バルジさんは死んではいません。ですが、出血が酷いので、今は絶対安静です」
と、ここで、バルジさんが口を開いた。
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