Lv47 魔王クラスの魔物
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【我が名はヴィゴール。アヴェラス公の片腕たる我が力を見せてやろうぞ】
ヴィゴールは馬鹿デカい身体を震わせ、天に向かい、大きな咆哮を上げた。
【グォォォォォォォォン! グォォォォォォォン!】
野鳥の飛び立つバタバタとした羽音が、至る所から聞こえてくる。
サイクロプスやトロルよりも大きな身体であるヴィゴールの咆哮は、それはもう凄まじい迫力であった。
恐らく、今の咆哮で、縮こまった者もいるに違いない。
【者共! 姿を解け! この愚かな蛆虫共に地獄を見せてやれッ】
するとその直後、冒険者達の中に黒い霧を発生させる集団が現れたのである。
数にして20名程であった。
(他の魔物達も動きだしたな……。しかし、これだけの魔物が冒険者達の中に紛れていたとは……)
程なくして黒い霧は晴れる。
そこから姿を現したのは、ベレスにレッサーデーモンにホークマン、そしてゴールドオークにハンババといった魔物達であった。
トロルやサイクロプス程ではないが、それに次ぐ強さを持った魔物達である。
冒険者達から大きな叫び声が上がる。
「なッ!? 俺達の中にも魔物がいたのか、クソッ!」
「お前達まで魔物だったのか! おのれ!」
「嘘でしょ!? なんで貴方達まで!」
この反応は無理もない。驚愕の事実というやつだし。
と、そこで、ヴィゴールがホークマンに指示を出した。
【その方、ゼーレ洞窟に行き、同胞達に伝えよ! 捕獲は中止だとなッ。ここへ来て、共に、この蛆虫共を殲滅せよと伝えるのだッ】
【ハッ、ヴィゴール様ッ】
ホークマンはヴィゴールに一礼すると、空高く舞い上がった。
そして、ゼーレ洞窟の方角へと飛んで行ったのである。
俺はそこでウォーレンさんに指示をした。
「ウォーレンさんッ、向こうに合図を送ってください。例の水際作戦を実行しますッ!」
「お、おう、わかった」
ウォーレンさんは宮廷魔導師の1人に告げる。
「狼煙を上げてくれッ」
「ハッ!」
宮廷魔導師の1人が筒状の物を地面におき、下から伸びた導火線みたいなモノに火をつける。
するとその直後、【ドォォン】という大きな音が響き渡ると共に、筒から何かが打ちあがり、上空で花火の如く炸裂したのであった。
(この林からゼーレ洞窟まで、凡そ1Km……。それ程離れてないから、恐らく、これで気付いてくれる筈だ。後は……ヴィゴールと他の魔物を早目に倒すのみ。どんな力を持っているのか未知数の部分はあるが、幾ら強大な力を持つ魔物といえど、絶対という言葉はない……)
俺はそこで、アヴェル王子とウォーレンさんに視線を向けた。
「では打ち合わせ通り、行きましょう」
2人は頷く。
まずウォーレンさんが宮廷魔導師に指示を出した。
「魔導
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