Lv47 魔王クラスの魔物
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「それを伝えるんやな。わかったで」
「じゃあ、頼んだぞ」
「ほな、行ってくるわ」――
ラティがアヴェル王子の元へ行ってから暫くの後、それは実行された。
アヴェル王子は剣を鞘から抜き、自身の前で縦に掲げ、眩い光を奴に放ったのである。
すると次の瞬間、ヴィゴールは眩しさのあまり、左手で目を覆い隠したのであった。
【グッ……目晦ましか! おのれ!】
どうやら成功したようだ。
やってみるもんである。
(さて、それじゃあ行きますか……)
俺はこの隙を利用し、奴の真上にある木の枝に魔導の手を伸ばす。
そして奴の真上に来たところで、俺は最大出力の魔光の剣を発動させ、振りかぶりながら落下したのである。
脳天に目掛けて、俺は魔光の剣を振り下ろす。が、しかし……なんと、奴はそこで俺の攻撃に気付いたのであった。
【ムッ、上か! き、貴様は!? お、おのれッ!】
奴はそこで上体を仰け反らせる。
その為、光の刃は奴の脳天ではなく、左目の辺りに振り下ろす形になってしまった。
(チッ……狙いが外れてしまった。今更、剣の軌道は変えられない。もうこのまま振り下ろすかしない。糞っ!)
光の刃は奴の左目とそれを覆う左手首へと走り抜ける。
その刹那!
【グアァァァ!】
ヴィゴールの悲鳴にも似た苦悶の叫びと共に、奴の左目と左手首から黒い鮮血が噴き上がったのである。
俺は僅かばかりの魔力を左手に向かわせ、魔導の手を使って、地面に着地する。
と、そこで、奴の左手首がボトッと地面に落ちてきた。
これを見る限り、今の攻撃はかなり効果的な手段だったようだ。
しかし、連撃は不可能な為、俺は林の中へと猛ダッシュし、奴と距離を置く事にしたのである。
木々に隠れながら、俺はヴィゴールへと視線を向けた。
ヴィゴールは斬られた左目を右手で押さえながら、叫び声をあげているところであった。
【ウグァァァ! お、おのれェェェェッ! 我が体にこれ程の傷を与えるとは! 小賢しい奴め、どこにいるッ! 我が正体を暴いた貴様は、どんな事があっても始末してくれるわ!】
と、その直後、ヴィゴールは右手で棍棒を持ち、めったやたらと振り回し始めたのである。
あまりにも滅茶苦茶振り回すので、魔導騎士達は棍棒の間合いから逃げるように後退した。
流石にあの感じだと、魔導騎士達も中々近づけないだろう。
(う〜ん、凄い怒ってる……こりゃ見つかったら、俺、狙打ちされるな……どうしよ……早く次の手を考えないと……ン?)
と、そこで、慌てた様子のホークマンが上空に現れたのである。
恐らく、ゼーレ洞窟へ向かった奴だろう。
ホークマンは大きな声でヴィゴールに呼びかけた。
【た、大変でございます、ヴィゴール様ッ!】
ヴィゴー
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