Lv47 魔王クラスの魔物
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と、ここで、宮廷魔導師隊第2班の攻撃魔法が放たれた。
「メラミ」
「イオラ」
「メラミ」
「ルカニ」
「ヒャダルコ」
「ベギラマ」
中級クラスの魔法が、ヴィゴールに幾つも直撃する。
だがしかし……奴は雨あられのように降り注ぐ魔法攻撃を受けながら、ニタニタと笑みをこぼしていたのである。
【クハハハッ、この姿になった我を舐めるなよ。その程度の魔法なんぞ、まったく効かぬわ。ククククッ、良いだろう。ひ弱な貴様らにひとつ、魔法の手本というものを見せてやろう。我が最強の爆炎魔法を受けるがいい!】
ヴィゴールはそう告げるや否や、祈りを捧げるかのように胸元で両手を組む。
組んだ手に魔力が集まり、真っ赤な光を帯び始めた。
と、次の瞬間、ヴィゴールは両手を大きく広げ、赤い光のアーチを自身の前に創り上げると共に、呪文を唱えたのであった。
―― 【ベギラゴン!】 ――
その刹那!
赤い光のアーチから、恐ろしいほどの火力を持った爆炎が、扇状に燃え広がったのである。
奴の正面にいた前衛の魔導騎士達は、ベギラゴンの爆炎が直撃し、吹っ飛ばされる。
それと同時に、魔導騎士達の苦悶の声が林に響き渡ったのであった。
「グアァァァ」
「ウワァァァ」
「ガァァ」
直撃を受けた魔導騎士10数名は片膝を付き、ゼーゼーと肩で息をしていた。
また、彼等の装備する鎧には黒い焦げ跡が幾つも出来ており、そこからプスプスと煙が立ち昇っていたのである。
今の攻撃で死んだ者はいないが、これを見る限り、相当なダメージを受けたのは間違いないようだ。
幾ら魔法の鎧を装備しているとはいえ、ベギラゴンクラスの魔法だと、そこまで軽減できなかったのだろう。
と、そこで、ベギラゴンの威力を目の当たりにした宮廷魔導師の1人が弱々しく呟いた。
「な、なんだ、い、今の魔法は……。あんな恐ろしいほどの威力を持った魔法、み、見た事も聞いた事もないぞ……」
イシュマリアで確認されている魔法に、ベギラゴンはなかった筈だから、こう考えるのも無理はないだろう。
まぁそれはさておき、まさか、ベギラゴンを使えるとは……。
奴の姿を見て、2回目バルザックとギガデーモンを基準に考えた俺が甘かったようだ。
つーか、パワー型の魔物なのに、一級品の魔法も使えるなんて駄目だろ……。
ふとそんな事を考えていると、ここでラーのオッサンが小さく囁いてきた。
「おい、コータロー……はっきり言おう。逃げた方がいい。この魔物から放たれる魔の瘴気は、その辺の雑魚とわけが違う。魔の世界最下層でもかなりの魔物だ。ある種の魔王級といえる。コイツは危険な魔物だ」
周囲に注意しながら俺は小さく答えた。
「んな事を言ったって、ここで俺だけが逃亡するわけにいくかよ。つか、何
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