Lv46 ヴィゴール( i )
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そうです。魔力消費もそこそこ抑えれますし」
「そのようですね。それはそうとコータローさん、そろそろ行きませんか?」
「ああ、すいません。余計な時間を食ってしまいましたね。では行きましょう」
「ええ」
というわけで、予想外にも、こんな所で火炎斬りを修得する事ができたのであった。世の中わからんもんである。
[V]
抜け道の洞窟を出た俺とアヴェル王子は、その先に広がるオヴェール湿原を進み、ゼーレ洞窟へと向かった。
その際、周囲を確認したが、ベレスが言っていたとおり、魔物の姿は殆どなかった。見掛けたのはヘルバイパーくらいだ。
この様子だと、ベレスが言っていたように、多くの魔物は、洞窟内の待機場所で冒険者達を待ち受けているのだろう。
そんなオヴェール湿原を暫く進み、目的地であるゼーレ洞窟へやって来た俺達は、周囲を少し確認した後、中へと足を踏み入れた。
ちなみにだが、門番のミニデーモンは入口にいなかった。
多分、ミニデーモン達も洞窟内で待機してるのだろう。
(しかし……これだけ魔物がいないと、冒険者達は油断するかもな。敵ながら、よく考えたもんだ……って、感心してる場合じゃないな。まずは魔物の待機してる場所を探さないと……)
と、そこで、アヴェル王子が俺に耳打ちをしてきた。
「コータローさん、洞窟内の構造って覚えてますか?」
「まぁなんとなくですが……」
「そうですか。ではコータローさんにお任せします。好きなように進んでください。俺はそれに続きますから」
「わかりました。では、ついて来てください」
つーわけで、俺はまず、儀式が行われていた大空洞へと向かうことにしたのである。
大空洞には数名のエンドゥラスとシャーマンの姿があった。
奴等は今、何かを片づけている最中のようだ。
と、そこで、エンドゥラスの1人が俺達に目を向け、声をかけてきたのである。
【おお、丁度良いところにいた。お前達、コレを物置となっている空洞に運んでおいてくれないか】
声をかけてきたのはジェバという名のエンドゥラスであった。
まぁそれはさておき、俺達はジェバが指差している物体に目を向けた。
するとそれは、グアル・カーマの儀式で使われていたと思われる、奇妙な模様が描かれた壺であった。
数は全部で4つ。大き目の花瓶くらいあるので、何回か往復しないといけないが、俺達2人でなんとか運べそうな感じだ。
「その壺を物置の空洞に運ぶのですか?」
【ああ、そうだ。じゃあ、頼んだぞ】
ジェバはそれだけを告げ、この場から立ち去った。
俺はアヴェル王子に耳打ちをした。
「今は言われた通りの事をしておきましょう」
「ですね」――
俺とアヴェル王子は壺を抱え、この間出入りした物置の空洞へと向かった。
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