Lv46 ヴィゴール( i )
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に不味い気がしたので、言っておく事にした。
「あの、いいんですか? ハルミアさんの騎士としての力量は、私も認めるところなので有難いのですが、ゼーレ洞窟の中は魔物の巣窟です。幾らアレの力を使うとはいえ、何が起きるかわかりませんよ」
「構わん。その時はまた何か考える事にするよ。さ、それよりも、早くしないと時間がないんじゃないのかい?」
俺はウォーレンさんを見た。
ウォーレンさんはお手上げの仕草をする。
どうやら説得するのをあきらめたようだ。
「わかりました。じゃあ、行きますか」
と、ここで、ミロン君も声を上げた。
「あ、あの、コータローさん……私も行ってもいいですか。ウォーレン様の代わりにはなれませんが、少しは力になれる筈です」
有難い申し出だが、俺は頭を振った。
もうこれ以上、不安になる要素を増やしたくないからである。
リタさんの暴走の件で、流石に懲りたのだ。
「いや、いいよ。調査は2人で充分だ。あまり大勢でやるもんじゃないからね。さて、それじゃ、行くとしますかね、ハルミアさん」
「ああ、行こう」――
俺達は抜け道の洞窟前で変化の杖を使い、魔物へと変化した。
一応、変化した姿を言うと、俺が妖術師でアヴェル王子はスライムナイトだ。
そして、抜け道の洞窟へと足を踏み入れたのである。
俺とアヴェル王子はレミーラの明かりを頼りに、湿気た洞窟内を黙々と進んで行く。
進み始めて暫くすると、前方に出口の明かりが見えてくるようになった。
そして、そこには勿論、以前と同様、番人を務める2体のベレスの姿があったのである。
この様子を見る限り、どうやら、この間と同じ警備体制のようだ。俺が倒したサイクロプスやライオンヘッドの事は、バレてないか、もしくは、あまり気に止めてないのかもしれない。
と、ここで、アヴェル王子が俺に囁いた。
「コータローさん……魔物が2体います。どうしますか?」
「必要な情報を訊きだしたら、倒しましょう。ですが、あの魔物達はベギラマを使うので注意が必要です。とはいえ、この姿で不意打ちすれば、そう問題ない敵だと思いますよ」
「わかりました」
俺達はそのまま出口へと向かう。
奴等に近づいたところで、1体のベレスが口を開いた。
【誰だ! ……って、なんだ、仲間か。お前も早く、所定の位置に着いとけよ。今日は冒険者を捕獲する日だ。あまりその辺をウロウロしてると、ヴィゴール様に叱られるぞ】
俺はフレンドリーに返事をした。
「ご苦労さん。ところで、今日の捕獲なんだけど、それについて何か聞いてるか? 俺達、応援で来たから、細かい事は聞いてないんだ」
【応援なのか? それは初耳だな。まぁいいや、教えてやるよ。今日の捕獲は簡単だぜ。洞窟内へ冒険者共を誘き寄せるだけだからな】
どう
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