Lv46 ヴィゴール( i )
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と考える事はあるが、後にしよう。
「そうですか。では、質問を続けます。昨晩の打ち合わせの時、アルカイム街道側からゼーレ洞窟へと向かう場合、手前に木々が密集する林があると言っておりましたが、そこの地面は泥濘んでいたりするんですかね?」
「雨季に入るゴーザの月ならば、そうなるかもしれないが、今の時期ならば泥濘みはない筈だ」
「それを聞いて安心しました。その林が重要になってくるので」
馬車にいる3人は首を傾げていた。
ミロン君が訊いてくる。
「林が重要? コータローさん、意味が分からないのですが……」
続いて他の2人も。
「そうだ、意味が分からんぞ。どういう事だ?」
「あの、コータローさん、それはどういう……」
「まぁそれについては、調査が終わった後、説明しますよ」――
[U]
薄暗い中を進むにつれ、東の空から太陽が昇り始めてきた。
周囲に目を向けると、やや薄暗いながらも、朝露に濡れる草木が視界に入るようになっていた。いよいよ夜明けである。
ちなみにだが、これまでの道中、魔物との戦闘は一度も無かった。俺達が100名近い武装集団だったので、魔物も襲ってこなかったのだろう。やはり、数は力である。
それから暫く進み、抜け道のある丘に来たところで、俺はウォーレンさんに止まるよう指示を出した。
「ウォーレンさん、あの丘の前で一旦止まってください。あそこに抜け道があります」
「わかった」
続いてウォーレンさんは、馬車の車窓から顔を出し、魔導騎士達にその旨を伝えた。
【皆、あの丘の前で止まってくれ!】
魔導騎士達は指示に従い、丘の手前で進軍を止めた。
俺はそこで立ち上がる。
「では、暫くの間、皆さんはここで待っていてもらえますか。調査に行ってきますんで」
「え? 1人でか?」
「それだと心細いんで、あと1人、ラッセルさん達の中から来てもらう事にしますよ」
するとそこで、アヴェル王子が手を上げたのである。
「なら、私が行こう」
ウォーレンさんが少し慌てた様子になる。
「ハ、ハルミア殿……それは幾らなんでも不味いのでは」
「アレの力が本当なら、大丈夫だろう」
「しかしですな……」
「まぁウォーレンの言いたい事もわかる。だが、私も実際に見てみたいんだよ」
「ならば、私も」
「いや、ウォーレンはここにいてくれ。昨日、ヴァリアス将軍からもあった通り、一応、この件の統括責任者はウォーレンだ。責任者が不在になるのは何かと不味いだろう」
「ですが……」
ウォーレンさんは尚も渋っていた。
まぁウォーレンさんがこうなるのも無理はない。
つか、次期国王と目される人物が、こんな事をしちゃダメだろう。
「大丈夫だ。ではコータローさん、行こうか」
俺も流石
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