Lv44 新たな疑惑
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りあえず、空きテーブルに適当に座り、まずは昼食をとる事にしたのである。
そして、食事を始めて暫く経った頃、目的の人物がようやく俺達の前に姿を現したのであった。
「よう、ラッセル、待たせたな。ルイーダから聞いたぞ」
「おお、バルジ。待ってたぞ」と、ラッセルさん。
ちなみにだが、バルジさんは数人の仲間と共に俺達のところにやって来た。
それらは何れも修羅場を沢山潜ってそうな、かなりの手練れと思わしき者達であった。勿論、その装備品も中々の代物だ。
一応、バルジさんのパーティの構成を言うと、戦士系の男が3人、それから魔法使い系の女が2人に盗賊系の女が1人といった感じで、ある意味、王道的なパーティ編成であった。
年齢は、20代後半から30代前半くらいといったところだろうか。男は3人共、精悍な顔つきをしており、筋骨隆々といった感じだ。で、女性陣はというと、スタイル抜群の美人さん達であった。
男3人に女3人なので、もしかすると、ゴニョゴニョの関係なのかもしれない。
まぁそれはさておき、バルジさんは話を続ける。
「それはそうとラッセル、討伐には勿論参加するんだろ?」
ラッセルさんはそこで俺に視線を向けた。
多分、話してもいいかどうかを訊きたいのだろう。
というわけで、俺は頷いておいた。
ラッセルさんは話を切り出した。
「バルジ……ちょっとその件で、話したい事があるんだ」
「ン? なんだ?」
「単刀直入に言おう……あの依頼……あれは罠かもしれない。だから、行かない方が良い」
バルジさんは首を傾げた。
「罠? 何を根拠にそう言うんだ?」
「実は俺達……昨日、魔物に変装してあの洞窟を見に行ってきたんだよ」
「なんだって? それは本当か?」
「ああ、本当だ。ここにいるコータローさんに、あの依頼は不審な点が多いと言われたからな」
そこでバルジさんは俺をチラ見した。
「……で、どんな様子だったんだ?」
「この間、バルジが言っていたように、あの洞窟には確かに魔物の親玉らしきモノがいたよ。そして……見た事もない、沢山の魔物達の姿もな。依頼の通り、洞窟内は魔物で溢れんばかりだった」
「なら、問題ないじゃないか。俺達が討伐すればいいんだよ」
ラッセルさんは頭を振る。
「だが、バルジ……それだけじゃないんだよ。あの洞窟では、魔物達による恐ろしい儀式が行われていたんだ」
「恐ろしい儀式?」
「ああ……冒険者の身体を使った、恐ろしい儀式がな」
バルジさんはラッセルさんに詰め寄った。
「冒険者の身体を使った儀式だと……何だそれは?」
「魔物達は言っていた……魔物の魂と、この地上にいる者の魂を融合させる儀式だと……。一体何の為にそんな事をしているのかはわからないが……とにかく、そんな儀式が行われていたんだ」
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