Lv44 新たな疑惑
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よ。ですから、倒すのに苦労しましたよ。実際、全滅かと思いましたからね」
するとウォーレンさんは、大きく目を見開いた。
「お前が、そこまで言うということは、相当な魔物だったんだな」
どうやらウォーレンさんは、俺の事を買い被っているみたいだ。
変に勘違いされても困るので、臆病なヘタレと言っておかねば……。
「ええ。そりゃもう凄かったですよ。鋼の剣程度の武器では、まるで歯が立ちませんでしたからね。おまけに、口から炎を吐くわ、回復魔法を唱えるわ、補助魔法が利かないわで、散々だったんですから。臆病でヘタレな俺も、あの時ばかりは死ぬかと思いましたよ」
「……そこまでの魔物なのか。で、どうやって倒したんだ?」
「あの時は、この魔光の剣で倒したんです。これがなければ、倒すのは不可能でしたね」
俺はそう言って、魔光の剣に目を向けた。
思い返せば、鳥肌がたつほど寒い出来事であった。
ライトセーバー様様である。
「ほう、その武器が活躍したのか。それを聞いて、ますます欲しくなった。ちゃんと頼んでおいてくれよ」
「ええ、頼んでおきます」
まぁそれはさておき、ついでなのでアレの事について訊いておくか。
「ウォーレンさん、1つ訊きたいことがあるのですが」
「ン、なんだ?」
「訊きたい事というのは、他でもない、アウルガム湖についてなのですが……ウォーレンさんは以前、アウルガム湖の魚が消えたと仰っておりましたけど、どこかに移動したという線は考えなかったのですか?」
「ああ、その事か。勿論考えたさ。だが、調査を行った者の話では、その兆候はないという報告だったんだよ。だから消えたことになっているのさ」
「そうでしたか。ですが……となるとですね、少し辻褄の合わない事が出てくるんですよ」
「辻褄の合わない?」
2人は顔を見合わせる。
「今日、ルイーダの酒場に行った時に、妙な話を聞いたんです」
「どんな話ですか?」と、アヴェル王子。
「実はですね、アウルガム湖から水揚げされたとされる魚介類が、市場に出回っているのですよ」
「ああ、それはだな、近隣の町や村から王都へ回してもらっているのさ。他の地域も漁獲量が減ってはいるが、アウルガム湖みたいな事は起きてないからな。まぁとはいっても、ヒャドで氷詰めにして陸路で運ぶから、それほど多くの量ではないが」
「そうなのですか。だとすると、ますます妙ですね……」
ウォーレンさんは眉根を寄せる。
「妙? どういう意味だ、一体?」
「俺が聞いた話だと、かなりの量の魚介類が市場に流れているみたいでしたよ。それも、価格の変動が起きない程の量のようです。通常、市場に出回っている食料の数が減れば、食料の価値は上がります。ちょっとおかしいと思いませんか?」
「価格の変動が起きてないだと……馬鹿な、そんなこと
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