Lv44 新たな疑惑
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ようだ。
確かに、こういうのは難しい問題である。
「という事は、その両名に認可を貰えれば、持ち出し可能なんですね?」
「まぁ確かにそうなのですが……実は今、諸事情により、そう簡単にはいかないんですよ」
「え? それってどういう……」
アヴェル王子は溜息を吐くと続けた。
「主席宮廷魔導師であるオルドラン家当主のディオン殿は今、ヴァロム様の件で、一時的に謹慎を命ぜられているからですよ。その為、今は主席宮廷魔導師としての責務を全うできない状態なのです」
「ええっと……それはつまり、肩書きだけは残っている状態ってことですか?」
「そうなりますね」
「代理の主席宮廷魔導師はいないのですか?」
「一応、今は次席の宮廷魔導師が代理をしてますよ。ですが、全権委任されたわけではないので、対応できない部分もあるのです。特に、この秘宝については、主席宮廷魔導師の認可が必須の案件なのでね。困った話ですが……」
「話の流れから察するに……今の代理宮廷魔導師では、認可出来ないということですか?」
2人はコクリと頷いた。
つまり、Exactly(その通りでございます)って事のようだ。やれやれだぜ……。
「何といいますか……その……色々とあるんですね」
「ええ。ですが……それについては私が何とかするつもりです。今の話を聞いた以上、そんな事が行われている洞窟を野放しにはできませんからね」
「その方がいいと思います。王都、いや、このイシュマリア国にとって脅威になりそうですから」
俺が出来るのはここまでだ。
後は2人に任すとしよう。
と、ここで、仕切り直しとばかりにウォーレンさんが俺に話しかけてきた。
「ま、それはそうとコータロー。アーシャ様達の件だが、恐らく、ここ3、4日の間にお迎えの者が訪れるだろうから、2人の事については安心するがいい」
「そのようですね。先程、2人から聞きました」
「しかし……まさか、あのラミリアンの少女が、ラミナスの王女様だったとはな。流石の俺も驚いたぞ」
「そうなんですよ。スイマセンでした。隠していた事をお詫びします」
俺は頭を下げた。
ウォーレンさんは頭を振る。
「別に謝らなくていい。刺客の魔物に襲われて、道中、大変だったらしいしな。身分を偽るのは止むを得んだろう」
「実際、それに巻き込まれて、俺も大変な目に遭いましたからね。ちなみに、この杖はその時の戦利品なんですよ」
俺はそう言って、右手にある変化の杖に目を落とした。
「ほう、その時の物だったのか。なるほどな」
アヴェル王子が訊いてくる。
「ではその時、魔物共は、人に化けてコータローさん達に近づいてきたという事ですか?」
「そうですよ。しかもですね、その内の一体は、先程話したグァル・カーマの法を施されたと思われる魔物だったんです
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