Lv44 新たな疑惑
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、そうしてくれ。もうこれ以上、余計なゴタゴタは避けたいからな」
「で、どうしますか? 奴等はあの洞窟で、冒険者を使った人体実験をしております。オヴェリウスとしても無視するわけにはいかないと思いますが?」
俺の言葉を聞き、ウォーレンさんとアヴェル王子は顔を見合わせる。
その表情はかなり険しかったのは、言うまでもない。
アヴェル王子は自分に言い聞かせるかのように、ボソッと言葉を発した。
「ウォーレン……これは国の一大事かも知れない。早めに悪い芽を摘み取らねば、国の存亡に関わる気がする……」
「それは私も同感ですが……かといって有効な手立てが思いつきません。ハルミア殿は、何かいい考えがおありで?」
「考えも何も、コータローさんの話が本当なら、もはや魔導騎士団か、雷光騎士団でなければ対応は無理だろう」
「確かにそうですが、今、魔導騎士団は、王都の警護と魔の島の警護にかなりの数を割いております。とてもではありませんが、ゼーレ洞窟にまで手が回らないでしょう。それと、雷光騎士団は王家直属の近衛騎士団です。魔物討伐に率いてよいものかどうか……」
「ああ、それは分かっている。だから、騎士はそんなに多く、ゼーレ洞窟に派遣できないだろうな」
「では一体、どうされるおつもりで?」
アヴェル王子は暫しの沈黙の後、口を開いた。
「……方法は1つだ。ギルレアンが発掘した騎士団の秘宝を使えるよう、ヴァリアス将軍とディオン殿に掛け合ってみるしかない。あの秘宝ならば騎士の数が少なくても、なんとかなるだろうからな」
「ま、まさか……アレを使うつもりですか?」
「ああ、そうだ。アレを使う以外に手はないだろう。あの洞窟で、秘宝を使うのは2度目になるがな……」
名前を伏せているところをみると、多分、口外できない秘宝なのだろう。
だがそれよりも、ここでギルレアンの名が出てくるとは思わなかったので、その秘宝とやらがなんなのか、少し気になるところだ。
答えてくれるかどうかわからないが、とりあえず、訊いてみる事にした。
「あのぉ、今、ギルレアンの名が出てきましたが、その秘宝とは一体何なのですか?」
アヴェル王子はそこで、ウォーレンさんに視線を向けた。
「ハルミア殿、秘宝の持つ力くらいなら、話してもいいのでは?」
「そうだな……。ではコータローさん、どんな形をした物かというのは話せませんが、秘宝の持つ力についてならお話ししましょう。それでいいですか?」
これはかなり気になる話である。
訊くしかないだろう。
「ええ、それで結構です。で、どんな力を持った秘宝なのですか?」
「ではお話ししましょう。実はその秘宝を使うとですね、味方の攻撃力を倍に高める事ができるのですよ。しかも、その影響力は広い為、集団戦闘における切り札として、わが国では厳重に管理
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