Lv44 新たな疑惑
[4/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ヴェル王子もそれに続く。
「ウォーレンの言うとおりだ。コータローさん……言っては悪いが、変装にも限界がある。1体や2体ならまだしも、魔物の巣窟と化してるような所では、流石にバレますよ。奴等だって、そこまで馬鹿ではないのですから」
俺は変化の杖を2人に見せた。
「それには、コレを使いました」
「なんだ、その杖は?」
「これはですね、俺達を襲ってきた魔物が持っていた物なんですが、そいつ等はこの杖を使って人に化け、俺達に近づいてきたんですよ」
「な、何を言っている。意味が分からないぞ、コータロー」
ウォーレンさんとアヴェル王子は、少し困惑していた。
まぁこの反応は仕方ないだろう。
この際だ。実際使って信じてもらうほかない。
「それじゃあ、論より証拠です。今からこの杖を使って、お2人を魔物にして御覧に入れましょう。ですが、決して取り乱さないでくださいね。ちゃんと、元に戻れますから」
「……わかった。やってみてくれ」
「では、いきますよ」
俺は変装用の水晶に魔力を籠めた。
その瞬間、紫色の煙が俺達を包み込む。
「な、なんだ、この煙は……」
「慌てないでください、ウォーレンさん。大丈夫です。体に害はありませんから」
程なくして霧が晴れ、2人の驚く声が聞こえてきた。
「こ、これは、魔物」
「そんな、馬鹿な……こんな事が……」
流石の2人も、これには驚いたようだ。
ちなみにだが、俺とウォーレンさんが妖術師で、アヴェル王子は悪魔の騎士といった感じである。
「これは変化の杖というらしいです。魔物達は、こういう魔導器も所持しているので気を付けた方がいいですよ。奴等は人に化けれるという事ですから。さて、では解除します。いつまでもこの格好でいたくないですからね」
俺は水色の水晶球に魔力を籠め、変装を解除した。
「さて……これで信じてもらえましたか? 俺達はこれで魔物になって移動し、ゼーレ洞窟を見てきたという事です。それとこれも付け加えておきましょう。これで姿を変えてからというもの、一度も魔物達と戦闘はありませんでした。つまり、魔物達はですね、変装した俺達を仲間だと認識していたという事です。というわけで、これが、洞窟内部まで行けた理由なんですよ」
2人は無言であった。
かなりショッキングな事実を知ったので、受け止めるのに時間が掛かるのだろう。
少し間をおいて、ウォーレンさんが訊いてきた。
「コータロー……今の話だが、俺達以外にも誰かに話したか?」
「今のところ、この杖の事を知っているのはアーシャ様とイメリア様達。それと、今日、同行した冒険者達とラティだけです。それから一応、この杖の事は他言しないように冒険者達には言ってあります。今、こういう事実が世間に知れると、王都は混乱すると思いましたので」
「ああ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ