Lv44 新たな疑惑
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セル。口が悪い奴だが、許してやってくれ。まぁそれはともかくだ。何れにせよ、今の話だと、あの洞窟に魔物が居るという事には変わりない。だから、予定通り、俺達はゼーレ洞窟へと向かうつもりだ」
「しかし、バルジ……」
「まぁアレだ。嫌なら、ラッセル達は無理に参加しなくてもいい。これは強制ではないからな。それと、今の忠告も一応頭に入れておこう」
「どうしても行くのか?」
「ああ」
ラッセルさんは残念そうに肩を落とした。
「そうか……行くのか」
「大丈夫さ。王都で一番優秀な冒険者達が行くんだ。なんとかなるさ。まぁそういうわけだ。お前達はゆっくりと静養してな」
バルジさんはそう言って、ラッセルさんの肩をポンと軽く叩いた。
そして、少し離れた所にある空きテーブルの1つへと去って行ったのである。
と、そこで、ラティが俺に話しかけてきた。
「なぁ、コータロー。さっきからどうしたんや? 額に手なんか当てて……頭が痛いんか?」
「へ? ああ、違う違う。ちょっと考え事をしてたんだよ」
「なんや考え事か」
額に右手の指先を当てていたので、そう思ったのだろう。
知らず知らずの内にそんな仕草をしてたようだ。
まぁそれはともかく……どうやら俺は、思い違いをしてたようだ。これは思ったより、不味い事態のようである。
だがとはいうものの、今の現状だと、俺の推察通りとも限らない。それを裏付ける為の情報が必要だ……。それも確固たる情報が欲しい。
(仕方ない。どうにか時間と場所を作って、ラーのオッサンに訊いてみるしかないだろう。今の俺の疑問に答えられるのは、ラーのオッサンだけだからな……)
俺がそんな事を考えていると、そこでラッセルさんの弱々しい声が聞こえてきた。
「コータローさん……貴方の言っていた通りになってしまいました。どうしましょう……」
「ま、こうなった以上は仕方ないです。とりあえず、食事を終えたら、ここを出ましょうか。少し静かな所でお話ししたい事がありますんで」
この場にいる者達は皆、顔を見合わせた。
ラッセルさんとリタさんが訊いてくる。
「それは構いませんが、どうしてなんです?」
「コータローさん……何かいい方法でもあるの?」
「それは後でお話ししますよ。少々、面倒な事になってるみたいですからね」――
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