暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv44 新たな疑惑
[12/12]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
セル。口が悪い奴だが、許してやってくれ。まぁそれはともかくだ。何れにせよ、今の話だと、あの洞窟に魔物が居るという事には変わりない。だから、予定通り、俺達はゼーレ洞窟へと向かうつもりだ」
「しかし、バルジ……」
「まぁアレだ。嫌なら、ラッセル達は無理に参加しなくてもいい。これは強制ではないからな。それと、今の忠告も一応頭に入れておこう」
「どうしても行くのか?」
「ああ」
 ラッセルさんは残念そうに肩を落とした。
「そうか……行くのか」
「大丈夫さ。王都で一番優秀な冒険者達が行くんだ。なんとかなるさ。まぁそういうわけだ。お前達はゆっくりと静養してな」
 バルジさんはそう言って、ラッセルさんの肩をポンと軽く叩いた。
 そして、少し離れた所にある空きテーブルの1つへと去って行ったのである。
 と、そこで、ラティが俺に話しかけてきた。
「なぁ、コータロー。さっきからどうしたんや? 額に手なんか当てて……頭が痛いんか?」
「へ? ああ、違う違う。ちょっと考え事をしてたんだよ」
「なんや考え事か」
 額に右手の指先を当てていたので、そう思ったのだろう。
 知らず知らずの内にそんな仕草をしてたようだ。
 まぁそれはともかく……どうやら俺は、思い違いをしてたようだ。これは思ったより、不味い事態のようである。
 だがとはいうものの、今の現状だと、俺の推察通りとも限らない。それを裏付ける為の情報が必要だ……。それも確固たる情報が欲しい。
(仕方ない。どうにか時間と場所を作って、ラーのオッサンに訊いてみるしかないだろう。今の俺の疑問に答えられるのは、ラーのオッサンだけだからな……)
 俺がそんな事を考えていると、そこでラッセルさんの弱々しい声が聞こえてきた。
「コータローさん……貴方の言っていた通りになってしまいました。どうしましょう……」
「ま、こうなった以上は仕方ないです。とりあえず、食事を終えたら、ここを出ましょうか。少し静かな所でお話ししたい事がありますんで」
 この場にいる者達は皆、顔を見合わせた。
 ラッセルさんとリタさんが訊いてくる。
「それは構いませんが、どうしてなんです?」
「コータローさん……何かいい方法でもあるの?」
「それは後でお話ししますよ。少々、面倒な事になってるみたいですからね」――
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ