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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv38 魔の神殿(i)
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に視線を向けた。
 するとハルミアさんはウォーレンさんに頷き、予想外の行動に出たのである。
 なんと、口元や顎に生えている髭を勢いよく毟り取り、長い髪を引っ張ったのだ。
 そして次の瞬間、今まで髭が生えていた箇所からは、きめ細かな白い素肌が露わになり、頭部からは、爽やかなショートヘアスタイルの赤い髪が姿を現したのであった。
 そう……ハルミアさんはやはり変装をしていたのである。
 しかも、凄い美形のイケメンであった。
 スッと通った形の良い鼻に、細い顎と穏やかな目尻の碧眼、そしてニヒルな口元……もうこれがゲームだったならば、この人が主人公だろってくらいに美男子であった。
 もし地球にいたならば、セフレには不自由しなさそうなほどである。チクショーってなもんだ。
 と、ここで、ロダス神官の驚く声が聞こえてきた。
「なッ!? あ、貴方は……まさか……ア、アヴェル王子ッ! アヴェル王子がどうして此処にッ!」
 神官の様子は明らかに狼狽えており、信じられないモノを見るかのように、大きく目を見開いていた。完全に予想外だったのだろう。
 つーか、これは俺も予想だにしなかった事である。
 変装しているとは思っていたが、まさか王子様だったとは……。
 正体を現したアヴェル王子は、ロダス神官に向かい、笑みを浮かべた。
「申し訳ありませんね、驚かせてしまい。まぁ私は昔からフラフラするのが性分ですのでね。大目に見て頂きたい。それに、ミュトラの神殿というのにも少し興味もあったものですからね。だから、無理を言ってウォーレン殿に同行させてもらったんですよ」
「クッ……し、しかしですな……この地は穢れに満ちている為、古来より、王家の者は立ち入らない事になっている筈です。次期国王と目される貴方様が、ここに足を踏み入れるなんて事は、幾らなんでも……」
「ははは、申し訳ない。それはわかってはいるのですが、どうにも、興味の方が勝ってしまいましてね」と、アヴェル王子は爽やかに返した。
 ロダス神官は、苦虫を噛み潰したかのように顔を歪める。
「アヴェル王子……此度の事は、アズライル猊下に報告させてもらいますぞ。私も見て見ぬフリは出来ませぬのでな」
「ええ、構いませんよ。どうぞ、報告なさってください。さて、それでは始めようか、ウォーレン」
「ええ」
 ウォーレンさんはそこで、懐から小さな木箱を取り出した。
 それは来る途中に見せてもらった、あの木箱であった。
 ウォーレンさんは木箱の上蓋を開け、中から銀色の鍵みたいなモノを手に取ると、話を進めた。
「さて、では次にだが、コータローとミロンはとりあえず、魔力の回復でもしながら待機していてくれ。ここからは、俺とアヴェル王子でやってみようと思うのでな」
「了解です」
「はい、ウォーレン様」
「ではアヴェル王
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