Lv37 魔の島(i)
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乗り込んだ後も、そればかり考えていたのである。
(ヴァロムさんは、俺に何をさせるつもりなんだろう……ああ、もう、気になるなぁ……)
と、そこで、不意に話しかける者がいた。
「初めまして、コータローさん」
俺は声のした方向に振り向く。
すると、話しかけてきたのはハルミアという騎士であった。
というわけで、俺もスマイリーに挨拶を返しておいた。
「いえ、こちらこそ、初めまして」
続いて騎士は、自己紹介をしてきた。
「私はハルミアと申しまして、ウォーレン殿と同じく、ヴァリアス将軍の配下の者です。今日はよろしくお願いしますね」
「お役にたてるかどうかわかりませんが、私の出来る範囲内で、尽力させて頂こうと思います」
「ええ、それで構いませんよ」
ハルミアという騎士はそう言って、爽やかに微笑んだ。
俺も微笑み返す。
(ん?)
だがその時、俺はこの男に少し違和感を覚えたのである。
なぜなら、これだけ濃い髭を蓄えているにも拘らず、女性的な素肌といった方がいいだろうか……とにかく、すべすべとしたきめ細かな素肌であったからだ。
その為、肌と髭がミスマッチしてるように思えたのである。
(なんか違和感あるな。もしかして……付け髭か? う〜ん、わからん。まぁいいや、余計な事は言わないでおこう)
ふとそんな事を考えていると、またハルミアという騎士が話しかけてきた。
「ところでコータローさん。ご出身はアマツクニですか?」
あまり触れてほしくない話題だが、仕方ない。適当に答えておこう。
「いえ、私はマール地方の出にございますが、生まれが何処かは自分でもわからないのです。なにぶん、拾われた身の上ですので」
「余計な事を訊いてしまったようですね。……申し訳ない」
ハルミアという騎士は罰の悪そうな表情を浮かべた。
「ああ、お気になさらないでください。私自身、それほど気にもしてませんので」
「なら、いいのですが……おや? 見えてきましたね」
ハルミアさんはそこで前方を指さした。
俺もそこに視線を向ける。
すると俺達の前方に、木々が生い茂る大きめの島が見えてきたのだ。
<i6969|23211>
「あれが、古代の遺跡があるという島ですか?」
「ええ、あれがそうです。ここでは魔の島と呼ばれ、民達に恐れられている島であります」
「魔の島というんですか。へぇ」
なんつーか、『モロだな、おい!』とツッコミを入れたくなる名前だ。
「小さな島だと聞いていたんですが、思っていたよりも大きいんですね」
「そうですね。ちなみにあの島は、円を描いたような地形ですので、今見えているのが、そのまま島の幅と思ってもらって結構ですよ」
「へぇ、円形の島なんですか」
離れた位置なので凡その検討しかつかないが、俺の見た感
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