Lv37 魔の島(i)
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礼ですが、貴方様が此度の案内をしてくださるロダス管理官であらせられますか?」
神官は頷く。
「はい、私がロダスにございます。ですが、今日の私はエイブラ管理官の代理として派遣されましたので、普通にロダス神官とお呼び下さって結構ですよ」
「わかりました。ではそうさせて頂きます。ところで……ロダス神官とは初対面だと思うのですが、私がウォーレンだと、よくお分かりになられましたね」
「貴殿の事は良く存じておりますよ。ヴァリアス将軍の元に配属されている、数少ない第1級宮廷魔導師の方ですからな」
「という事は、悪評ばかり耳に入ってそうですね。お恥ずかしい限りです……」
ウォーレンさんはそう言って、恥ずかしそうに後頭部をポリポリとかいた。
この様子だと、ウォーレンさんは結構無茶をする事が多いのかもしれない。
「いやいや、そのような事はございませぬぞ。仕事熱心な方だと、私は思っておりますのでな」
「そう言って頂けると、私も救われた気がします。さて、それではロダス神官、今日はご迷惑を掛けるかもしれませぬが、よろしくお願い致します」
「いやいや、こちらこそ、よろしくお願いしますぞ。私は今から向かう遺跡には、一度も行った事がございませんのでな。さて……」
と、そこで言葉を切ると、ロダス神官はチラッと舟の方に視線を向けた。
「ではウォーレン殿、もうそろそろ向かわれますかな?」
「ええ、時間も惜しいので」――
[V]
2人の魔導騎士にオールを漕いでもらいながら、俺達は湖を進んで行く。
周囲の湖面に目を向けると、この舟が作りだす波紋が幾重にも広がっており、静かに波打っていた。それはあたかも、湖が俺達の侵入に対して、騒いでいるかのようであった。
そんな湖面を暫し眺めた後、俺は舟に乗り込んだ面々に目を向ける。
乗り込んだのは桟橋にいた3人と、ウォーレンさんにミロン君、そしてハルミアという騎士と俺の計7名であった。
詰所で合流した兵士達は、ウォーレンさんの馬車を見張ってもらっているので、ここにはいない。
そんなわけで、思ったよりも少ない人数での移動となったのだが、舟に乗り込んでからというもの、皆、無言であった。
なんとなくだが、皆の表情を見ていると、少し緊張をしているようにも見える。特にミロン君は不安なのか、元気がない表情であった。
今から向かう遺跡のある島は、いわくつきの所なので、こうなるのも無理はないのかもしれない。流石に、和気藹々という空気にはならないようだ。
ちなみにだが、俺自身はいつもと同じであった。
まぁ俺の場合は、皆と育った環境が違う上に、ラーのオッサンから色々と話も聞かされているので、それほど恐怖というものを感じない。
それよりも、ヴァロムさんの指示の方が気になるので、俺は舟に
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