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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv37 魔の島(i)
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 オールと思わしき棒も見えるので、どうやら手漕ぎ系の舟みたいだ。
(へぇ、ちょっと小さいけど綺麗な舟だな。あれで島に向かうのだろうか? ……ン?)
 と、そこで、桟橋の入口付近に3名の人影が見えたのである。
(誰かいるな……あれも今日の同行者だろうか? まぁいいや、ウォーレンさんに訊いてみよう)
 つーわけで訊いてみた。
「ウォーレンさん、桟橋の所に誰かいますけど?」
「あれは、多分、俺達と同行する事になっているイシュラナの神官だろう」
「そういえば、遺跡の管理をしてる神官と一緒じゃないと、中に入れないって言ってましたね」
「ああ。だが、今日は遺跡の管理官じゃなくて、代理の神官だがな……」
「代理?」
「ああ、代理さ」
 するとウォーレンさんは溜息を吐き、面白くなさそうに話し始めたのである。
「なんでも……遺跡を管理するエイブラ管理官は急用が出来たらしくてな。それでだよ。しかも派遣されるのは、遺跡に入った事すらない神官だそうだ。……ったく、遺跡に足を踏み入れた事ない神官を同行させるなんて、イシュラナ神殿側も何考えてんだか。俺達の事を馬鹿にしてんのか……っと、これは言い過ぎだな。まぁ今のは聞かなかったことにしてくれ」
「大丈夫ですよ。俺は口が堅いですから。でも、遺跡に入った事ない者を派遣するなんて、確かに変ですね……」
「ああ、全く何考えてんだか……おっと、そろそろ到着だ。お喋りはこの辺にしとくか。忘れもんの無いようにな」
「ええ」――

 程なくして桟橋へと辿り着いた俺達は、そこで馬車を降り、入口で佇む3人の元へと向かった。
 近くに来た分かったが、3人の内2人は、王家の紋章が描かれた灰色のマントと青い鎧、そして破邪の剣を装備した男達であった。城塞門にいる魔導騎士と同じ格好をしているので、多分、魔導騎士で間違いないだろう。歳は2人共、俺の少し上といったところだ。
 ちなみにだが、髪がショートヘアということ以外、特にこれといった特徴がない騎士達であった。
 で、もう1人の方だが、こちらは緑の神官服を着て、右手に祝福の杖を持つという出で立ちのイシュラナの神官であった。
 普通の神官は白色の神官服だった気がするので、位が高い神官なのかもしれない。
 歳は50代くらいだろうか。体型は中肉中背で、頭が光り輝くくらいツルッパゲの方であった。その為、今は朝日に照らされて発光体と化していた。早い話が、見た目は、禿げた中年のオッサンという容姿である。
 他に神官の姿がないところを見ると、どうやらこの人が、代理で派遣されたという神官なのだろう。
 まぁそれはさておき、俺達が彼等の前に来たところで、まず、中年の神官がニコヤカに挨拶してきた。
「これはこれは、ウォーレン殿、お勤めご苦労様でございます」
「お初御目にかかります。失
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