Lv36 邂逅の酒場・ルイーダ
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グランマージから100m程行った所にルイーダの酒場はあった。
それと付近に厩舎もあったので、俺達はそこで馬車を預かってもらい、酒場へと向かったのである。
酒場の前に来たところで俺は立ち止まり、建物を眺めながらボソリと呟いた。
「へぇ、マルディラントにあるルイーダの酒場とそっくりな建物だな。まぁ、規模はこっちの方が大きいけど」
やはり、それだけ冒険者の数も多いという事なのだろう。
「ルイーダの酒場は誰が見てもわかるように、どの地域でも同じような外観なんですよ。ここは冒険者への依頼を一手に引き受ける場所であり、尚且つ、沢山の冒険者が必ず寄るところですからね」と、ラッセルさん。
「なるほど、確かにそうですね」
これは頷ける話であった。
考えてみれば、この世界における冒険者の役割は、何でも屋である。
聞いた話によると、護衛や魔物退治や捜索や探索だけでなく、危険地帯に荷物を届ける宅配業務まで請け負う事もあるそうだ。
俺が住んでいた現代日本でそれらの業務を行なうには、警察や自衛隊に私立探偵、警備保障会社、猟友会、そして運送会社等の力が必要だが、この世界においては冒険者がそれを一手に引受けているのである。
つまり、この世界における冒険者というのは、人々の生活に密接に関わっている為、社会構造的に斬っても切り離せない重要な職業なのだ。
その為、それらを一元管理するルイーダの酒場は、誰が見てもわかる存在でなければならないのだろう。
「さて、それでは中に入りましょうか、コータローさん。ここで待っていても、料理は出てきませんからね」
「ですね」――
ルイーダの酒場に入った俺達は、幾つかある空きテーブルの1つへと移動する。
ちなみに中も、マルディラントにあるルイーダの酒場とそっくりな内装であった。多分、内装も外装も統一させているのだろう。
まぁそれはさておき、テーブルに備え付けられた木製の椅子に全員腰掛けたところで、まずラッセルさんが口を開いた。
「さて、それじゃあ、遠慮せず注文してください。今日は俺が奢りますから」
「何かお勧めの料理ってあるんですかね?」
「お勧めってほどでもありませんが、ここで今、人気のある料理というと、ラパーニャですかね」
「ラパーニャ? どんな料理ですか?」
聞いた事のない料理であった。
「ラパーニャは、500年ほど前にアマツクニから伝わったと云われるコメという穀物と、この地方で採れた野菜や魚介類を使った料理です。少し辛いかもしれませんが、中々美味いですよ」
コメ……って米か?
だとしたら久しぶりに食べてみたいところである。
つーわけで、もう確定だ。
「へぇ、そうなんですか。じゃあ俺はそれにします。ミロン君とラティはどうする?」
「僕もそれ
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