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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv36 邂逅の酒場・ルイーダ
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が立っていたのだ。
 身長や歳はラッセルさんと同じくらいで、長い金髪をうなじで束ね、額にはドラクエVの勇者を思わせるサークレットを装着していた。
 鍛えられた肉体が鎧の肩口から見え隠れしており、全体的な印象としては、武人といった雰囲気が漂う男であった。
 ちなみにだが、この青い鎧は多分、魔法の鎧だろう。マルディラント守護隊の鎧と非常に似ているので間違いない筈だ。
 まぁそれはさておき、ラッセルさんは男に返事をする。
「おお、バルジか。どうしたんだ?」
「聞いたぞ、ラッセル……色々と大変だったようだな」
 男はそう言って、こちらへとやって来た。
「ああ、酷い目に遭ったよ」
「そうか……」
 と、そこで、シーマさんが男に話しかける。
「久しぶりね、バルジ」
「おお、シーマとマチルダもいたのか。久しぶりだな。ところでラッセル、ココ、今、空いているか?」
 男は俺とミロン君をチラ見した後、空いてる席を指さした。
 ラッセルさんは俺に視線を向ける。
「いいですよね、コータローさん?」
「構いませんよ。どうぞ」
「じゃあ、座らせてもらうか。お〜い、そこにいる給仕のネェちゃん。ちょっとこっちに来てくれ」
「はい、ただいま〜」
 付近にいた給仕の女の子は、小走りでコッチにやって来た。
「ご注文ですか?」
「ああ。まずは酒だな。ヴィレアの特大を1つと、それから料理はここにあるのと同じのを頼む」
 続いてシーマさん達も注文をする。
「ついでだから、私達も同じのをお願いするわ。そのかわり、私達のヴィレアは普通のでね」
「はい、畏まりました。では少々お待ちください」
 給仕の女の子が去ったところで、男は声のトーンを少し下げ、静かに話し始めた。
「さて……昨日の今日でこんな話をするのもアレだが……お前達ほどの冒険者が手こずるなんて、一体どんな魔物と出遭ったんだ?」
 ラッセルさんは暫しの沈黙の後、元気なく口を開いた。
「……ベギラマやマホトーンを使ってくる羽が生えたサーベルウルフみたいな魔物と、首に羽を生やした紫色の大蛇だ。どちらも初めて見る魔物だったが、強さは今まで見てきた魔物と段違いだった。俺達は奴等に致命傷も与えられず、成すすべなくやられたのだからな。あの時、宮廷魔導師のウォーレン様が通りかからなければ、俺達は全滅していただろう……」
「そうか……。もしやと思ったが、やはり、新種の魔物だったか」
「バルジ達は、まだ新種の魔物とは遭遇してないの?」と、マチルダさん。
「まぁ遭遇はしたことはあるが、今のところ、対応できる範囲内の魔物ばかりだ。しかし、ここ最近、上級の冒険者達が相次いで命を落としている事を考えれば、俺達も何れ、強力な魔物に出遭うのは避けられんだろうな。……嫌な世の中になっちまったもんだよ」
「本当よね……
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