Lv36 邂逅の酒場・ルイーダ
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で」
「ワイはそれに加えて、バンバの実の盛り合わせやな」
「わかりました。ではそれらに加えて、肉を使った他の料理を幾つかとヴィレアも一緒に注文しますね」
ヴィレアとは、このイシュマリアで庶民に広く飲まれている酒で、簡単に言うと、少し甘味のある常温のビールみたいなものだ。
冷えてないのがアレだが、弱い炭酸ガスが湧いてるので、まぁまぁなのど越しの酒である。
味もビールに似ているので、もしかすると、中世ヨーロッパで庶民によく飲まれていたという、エール酒に似た物なのかもしれない。
「ええ、お願いします」
ラッセルさんはその後、酒場の給仕を呼び、料理を注文していった。
そして俺はというと、椅子の背もたれに寄りかかり、大きく背伸びをしながら周囲に目を向けたのである。
酒場内は今が昼時という事もあり、かなり賑わっていた。
デカい口を開けて大きな笑い声を上げる冒険者達のグループが、そこかしこに見受けられる。
またそれと共に、忙しそうに駆け回る給仕達の姿も視界に入ってきた。
ゲームではパーティ編成の為にしか来なかったが、リアルだと、まさに酒場といった感じである。
「普通の酒場は夜だけが忙しいんでしょうけど、ルイーダの酒場は昼も夜も賑やかですねぇ」
「ここは酒場と名乗ってはおりますが、冒険者への仕事の斡旋所でもありますからね」
ラッセルさんの言う通りである。
酒場とついてるので、そこが紛らわしいところだ。
「ところでコータローさん、先程、マルディラントと言ってましたが、もしかして、マール地方から来られたんですか?」
「ええ、そうですよ」
「では、オヴェール湿原の敵には相当苦労されたんじゃないですか? 他の街道と比べると、アルカイム街道側はここ最近、新種の手強い魔物が増えてますからね。特に、あのオヴェール湿原の辺りは今、熟練の冒険者でも命を落とすことがある区域ですし」
今の話を聞く限りだと、どうやら俺達は、最悪な道順で王都に来たのかもしれない。
ピュレナを抜けてから他の旅人と出会う事は、ほぼ無かったので、俺もおかしいなとは思っていたのだ。
「仰る通り、凄く苦労しましたよ。魔法に抵抗力のある魔物も多かったですからね」
と、ここで、ラティが話に入ってきた。
「でも、そこまで危ない局面は無かったんちゃうか? コータローって、敵の弱い部分を見抜くの上手いから、結構すんなり倒してた気がするけどな」
「そうでもないよ。俺も戦闘の時は、ハラハラしてんだから」
(余計な事を言うな、ラティ……)
すると案の定、ラッセルさんが反応してきたのである。
「え? コータローさんは、魔物の弱点を見抜くのが得意なのですか?」
「別に得意ってわけじゃないですよ。たまたまかも知れませんから」
「そういえばウォーレン様が言って
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