Lv30 巡礼地ピュレナ(i)
[13/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たフィオナ達一行は、湖がある方角へと伸びる石畳の道を進んで行く。
暫く進むと、一行の前に、やや小さな神殿様式の建造物が現れた。
一行はその建造物の前に来たところで、一旦立ち止まる。
フィオナはそこでルッシラに言った。
「ではルッシラ、この前で待っていてください。すぐに戻りますので」
「仰せのままに」――
フィオナが入口を潜った先は、壁一面に女神の絵が描かれた明るい部屋で、そこには中年の女性神官と、若い女性神官が2人いた。
2人はフィオナの姿を見るなり、跪いて頭を垂れる。
まず中年の女性神官が口を開いた。
「光の泉にようこそお出で下さりました、フィオナ様。こちらで御召し物をお預かりいたします」
フィオナは無言で頷く。
そこで中年の女性神官は、もう1人の若い女性神官に指示を出した。
「さ、フィオナ様のお手伝いを」
「はい」
指示を受けた若い女性神官は、フィオナの背後に回り、脱衣の手伝いを始める。
それから程なくして、一糸纏わぬ姿となったフィオナは、長く赤い髪をフワリと靡かせ、この部屋の奥にある扉へと歩き始めたのである。
そこで若い女性神官が奥の扉を開き、フィオナに中へ入るよう恭しく促した。
「どうぞ中へお入りください、フィオナ様。光の泉にて、お身体をお清め下さい」――
フィオナが扉を潜ると、青い石畳の床の中心に、白い石で縁取られた丸い泉があった。
泉の周囲には、白く発光する八本の柱が立っており、その柱から発せられる光が泉の水面に反射して、まるで泉自体が光を発するかのように、白く輝きながら揺らめいていた。
フィオナはその泉に向かい、ゆっくりと歩を進める。
泉の縁に来たところで、フィオナはゆっくりと片足から泉の中に入って行った。
腰のあたりまで泉につかったところで、フィオナは備え付けられた小さな水瓶を使い、全身をゆっくりと洗い流すかのように、静かに水を掛けてゆく。
そして、右手で女神の紋章を宙に描いた後、目を閉じて両掌を胸の前で組み、イシュラナへの祈りを捧げたのであった。
「……遥かなる天上より、慈愛の光にて世を包み、我等を見守りし女神イシュラナよ……今日も1日が無事に終わりました。大地を育み、水を育み、命を育み、世界を育む貴方の息吹に感謝しますと共に、罪深きこの身を清めて悔い改め、我等が主たる貴方様へ感謝の祈りを捧げます。……そして願わくば、世の生きとし生ける物全てに、貴方様の加護と祝福の光があらんことを……」
祈りの言葉を捧げたフィオナは、目を閉じて掌を組んだまま、静かにそこに佇む。
だが次の瞬間、この建物内に、低い男の声が響き渡ったのである。
【祈りはもう済みましたかな、フィオナ王女。クックックッ……】
「だ、誰です!?」
男の声だった為、フィオナ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ