Lv27 カラール魔導研究所
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んが俺に話しかけてきた。
「コータローよ、お主、ここにはよく来るのかの?」
「いえ、数回来ただけですよ。まぁその多くは、お師匠様のお使いみたいなもんですがね。リジャールさんは、よく来られるんですか?」
「マルディラントには何回も来たことはあるが、この1等区域は1年前に来たきりじゃな。クレムナン家の紋章を見せれば幾らでも1等区域に入れるが、グレミオと会う以外、用はないからの。ン?」
リジャールさんはそこで言葉を切ると、前方に佇む大きな石造りの建物に目を向けたのである。
それは、かなりの奥行きがある2階建ての四角い建物であった。
正面にはノッカーの付いた木製の大きな玄関扉があり、その上にはこの国の文字で『カラール魔導研究所 兼 魔導器製作工房』と書かれた大きな細長い看板が、横向きに掛けられていた。恐らく、ここがグレミオさんの工房なのだろう。
「あれじゃ、グレミオの工房は。どれ、行ってみるかの」
建物の前に来たところで、リジャールさんがノッカーに手をかけ、扉を軽く打ち鳴らした。
すると程なくして扉が開かれ、中からメイド姿の若い女性が現れたのである。
「はい、どちら様でございましょうか?」
「儂はグレミオ殿の知り合いでリジャールと申す者じゃが、グレミオ殿は今こちらにおられるかの?」
「少々お待ちくださいませ」
女性は建物の奥へと消えてゆく。
それから暫くすると、女性はこちらに戻ってきた。
そして、丁寧な所作で、俺達を中へ迎え入れたのである。
「失礼をいたしました。どうぞ中へお入りください。グレミオ様は、この奥にある研究室におられますので、私について来てくださいませ」
「うむ」――
建物の中に入った俺達はメイドさんに案内され、青いカーペットが敷かれた上品な通路を、奥へと進んでゆく。
それから程なくして、メイドさんはとある扉の前で立ち止まった。
メイドさんはそこで扉をノックし、中に向かって呼びかけた。
「グレミオ様、リジャール様をお連れ致しました」
「わかった、今行く」
という声が聞えた直後、ガチャリという音を立てて、扉が開かれた。
中から現れたのは勿論、先程マルディラント城で見た、あの男であった。
男は恭しく頭を下げ、リジャールさんに挨拶をした。
「リジャール様、お久しぶりでございます。先程はどうも」
「久しぶりじゃな、グレミオ。どうじゃ、調子の方は?」
「まぁまぁといったところでしょうか。では、立ち話でもなんですので、中にお入りください。さ、お連れの方々もどうぞ」
俺達はグレミオさんに促され、部屋の中へと足を踏み入れた。
と、そこで、グレミオさんはメイドさんに視線を向けた。
「タニア、お茶を7つ用意してくれるかい?」
「畏まりました」
メイドさんは頭を下げ、扉を閉
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