Lv26 そして報告へ……
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シャさんは頷くと話し始めた。
「では、私の考えですが……」――
打ち合わせを終えた俺とアーシャさんは、皆の所へ戻ると、まず、風の帽子の事とアーシャさんの素性を順に話していった。
といっても、殆ど、俺が説明したわけだが……。
アーシャさん曰く、俺の方が上手く話してくれそう、という事らしい。
そんなわけで仕方なく、説明しているわけだが、4人は俺の話を聞き、目を大きくしながら驚いていた。
予想通りというやつだ。唐突にこんな話をすれば、普通こうなるだろう。
「――というわけなんです。今まで黙っていてすいませんでした。でも、この事は他言無用でお願いしますね。あまり、公にしたくない事なんで……」
一通り説明したところで、リジャールさんが慌てて訊いてきた。
「か、風の帽子というのはともかくじゃ。そちらのお嬢ちゃんが、太守の娘じゃというのは、本当か!?」
「ええ、本当です」
「本当ですわ」
「なんとのぅ……うむぅ」
リジャールさんは腕を組んで唸っていた。
予想外だったろうから、これは仕方ない事である。
と、そこでサナちゃんが話しかけてきた。
「あ、あの、アーシャさんがマルディラント太守のご息女というのはわかりましたが、その前に言っておられた風の帽子というのは、本当に持っておられるんですか?」
「うん、あるよ。アーシャさん、見せてあげたらどう?」
「ええ」
アーシャさんは自分の道具入れから、風の帽子を取り出し、皆に見せた。
「これですわ。それで、どうしますか? 向かわれるのでしたら、私はいつでも構いませんわよ。そして、お兄様とリジャールさんが直接お話できるよう、私が執り成しますわ」
「すぐに向かえる上に直談判できるのであれば、それは願ってもいない事じゃ。しかし、お嬢ちゃんはお忍びでここに来ておるのじゃろう? 代理を務めるティレス殿には、どうやってそれを説明するつもりなのじゃ」
「勿論、それについても考えてありますわ。ではコータローさん、皆さんに説明をお願いします」
やっぱり、これも俺が説明するのか……仕方ない。
「じゃあ、俺から説明しましょう。ですが、これは皆にも協力してもらわないといけない方法なので、それだけは前もって言っておきますね」
「協力? まぁよい。で、その方法というのはなんじゃ?」
「実はですね」――
[V]
皆と細かい打ち合わせをした後、俺達はリジャールさんの家の裏手に行き、風の帽子の力でマルディラントへと向かった。
白い光に包まれ、上空へと飛び上がった俺達は、程なくして、マルディラント城の屋上へと到着した。
と、その直後、皆の驚く声が聞こえてくる。
「う、嘘……」
「こんな凄い物があったとは……」
「私も文献でキメラの翼について書かれていたの
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