Lv26 そして報告へ……
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う言って、アーシャさんに視線を向けた。
すると、思い詰めたような表情をしたアーシャさんが、俺の視界に入ってきたのである。
「どうかしたの、アーシャさん……」
アーシャさんはそこで、リジャールさんに視線を向けた。
「あの、リジャールさん……先程、マルディラントへもう一度、陳情に行くと仰ってましたが、急がないといけないんじゃないですか?」
「うむ。まぁ確かにそうじゃが、陳情には色々と必要な物もあるのでな。今すぐ儂だけが行くわけにもいかぬのじゃよ」
「じゃあ、もし、ですわ……仮に……今すぐにでもマルディラントに行って、アレサンドラ家に陳情する方法があったならば、リジャールさんはどうされますか?」
どうやらアーシャさんは、ここにいる者達に風の帽子の事どころか、自分の身分まで打ち明けるつもりなのかもしれない。やはり、アーシャさんもアレサンドラ家の者だから、流石にこの現状を見てしまうと色々と不安なのだろう。
「もし今すぐに行けたらか……。そりゃ行けるならば、すぐにでも行きたいところじゃが、そんな事は、古代の文献に出てくるキメラの翼でもないかぎり無理な事じゃ。じゃから、地道にいくしかないじゃろう」
「ではキメラの翼のような物があったならば、すぐに陳情に向かうと、受け取ってよろしいのですね?」
「ああ、そんなものがあるのならばの」
アーシャさんはそこで席を立つ。
「コータローさん、ちょっとお話がありますわ。外に来てもらえますか?」
「……はい、わかりました」
返事をしたところで、俺も席を立つ。
そして俺とアーシャさんは、この部屋から退出し、家の外へと向かったのである。
家の玄関を潜り、外に出たところでアーシャさんは口を開いた。
「コータローさん……皆さんに、私の素性と風の帽子の事を話そうと思いますの。貴方の意見を聞かせてください」
「その辺は、アーシャさんの判断にお任せします。俺からは何も言えません。ですが、今後の事もあるので、他言無用とだけは言っておいた方がいいですよ。それと、ヴァロムさんの事とかは内密にお願いしますね。ヴァロムさんからも口止めされているので」
「それは、勿論わかってますわ。話すのは素性と風の帽子についてだけですから」
しかし、別の問題があるので、俺はそれを訊ねる事にした。
「でもどうするんです? これだけの面子でゾロゾロと行けば、ティレスさんも流石に疑うと思いますよ。それと、アーシャさんがお忍びで旅をしているのを皆に前もって言っておかないと、後が面倒な事になります」
「それについては考えがありますわ。でも、私だけじゃ不安なので、コータローさんも考えてほしいのです」
「まぁそれは構いませんが、とりあえず、アーシャさんの考えを聞かせてもらえますか? 俺もそれを参考に考えてみますから」
アー
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