Lv26 そして報告へ……
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不味い気がするのです。その為、是非ともティレス様のお力を借りしたく、今日はご報告も兼ねて参った次第なのであります」
ティレスさんは眉間に皺を寄せた。
「むぅ、弱ったな……まさかそんな事になっているとは……しかも、エンドゥラスまで絡んでいるのか。リジャールさん、今、冒険者が派遣されていると仰いましたが、何名くらいいるのですか?」
「こちらに派遣されている冒険者は50名程です」
「50名か……確かに少ないな。わかりました、何とかしましょう。しかし、こちらも最近魔物が増えているので、守護隊の者をあまり沢山は派遣出来ません。ですから、指揮を執る守護隊の者を十数名と、アレサンドラ家の名で、ルイーダの酒場に冒険者の増員を依頼しましょう。冒険者を増員する分の費用に関しては、こちらで何とかするつもりです」
リジャールさんは深く頭を下げ、礼を述べた。
「ありがとうございます、ティレス様」
「ところでリジャールさん。今言った無垢なる力の結晶だが、これは貴方の調査結果の通りになる可能性が高いのですね?」
「私はそう思っております」
「……そうですか。となると、この事は伏せておいた方がよさそうですね。ちなみに、この事を知っているのは、私達とそのエンドゥラスだけと見ていいんですか?」
俺が答えておいた。
「こちら側で知っているのは、私達と仲間のラミリアン3名だけですが、フレイさんに宛てた書簡が見つかっていないので、向こうはエンドゥラス以外にもいるかも知れませんね」
「そうか……。まぁともかくだ。これは私達だけの話という事にしておきましょう。今は余計な厄介事はこれ以上は避けたいからね」
「ええ」――
この後も俺達は、ガルテナでの事だけでなく、ヴァロムさんの事等についても話し合いを続けた。
勿論、俺がヴァロムさんから言付かった内容や魔法の鍵については黙っていたので、打ち解けた話し合いではなかったが、それでも色々と新しく得られた情報もあったので、有意義なひとときであった。
だがあまり長話をしていると、ティレスさんの公務に差支えると思った為、区切りの良いところで、俺は話を切り上げる事にしたのである。
「――ではティレス様、貴重なお時間どうもありがとうございました。これ以上は、御公務の妨げになりますので、私達はこの辺で失礼させて頂こうと思います」
「すまないな、気を遣わせてしまい。もう少し話をしたかったのだが……そうだ、コータロー君達は今晩、街の宿屋に部屋をとってあるのか?」
「いえ、宿の方はまだですが」
「そうか。ならば、今晩はここに泊まってゆくといい。長旅で疲れただろうからね」
「え、良いのですか?」
これは予想外の申し出であった。
ティレスさんは頷く。
「ああ、構わない。それに……君と少し話したい事もあるんだよ」
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