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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv26 そして報告へ……
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るか?」
「はい、仰せのままに」
 女性達はすぐさま席を立ち、幾つかの書類を持って退出する。
 そして、俺達だけになったところで、ティレスさんは話を切り出したのである。
「で、何事だ? 人に聞かせたくないという事は、厄介そうな話のようだが……」
「ええ、お兄様。実は先程、このリジャールさんという方から、厄介な話を聞いたのです」
 ティレスさんはリジャールさんに視線を向けた。
「ほう。で、そちらの方は?」
「こちらはオルドラン様の古いご友人で、魔法銀の錬成技師でもあるリジャールさんという方ですわ。その昔、イシュマリア城で錬成技師をなさっていた方だそうです」
「何、オルドラン様の!?」
 リジャールさんは、そこで一礼し、まず自己紹介をした。
「お初、お目にかかります、ティレス様。今、妹君であるアーシャ様からご紹介がありましたが、私は以前、王都で魔法銀の錬成技師をしていたリジャール・エル・クレムナンと申しまして、今はガルテナで隠居生活を送る者でございます」
 だがそれを聞いた瞬間、ティレスさんは目を大きくしたのである。
「え!? 今、クレムナンと仰いましたが、もしや、名器と呼ばれる数々の武具や魔導器を生み出した、あのクレムナン家の方でございますか?」
「はは、そうでございます。ですが、もう隠居の身なので、そちらの方面からは足を洗いましたがな」
 リジャールさんはそう言って頭をかいた。
「は、初耳ですわよッ。リジャールさんは、クレムナン家の方なのですの!?」
 アーシャさんも寝耳に水だったのか、これには驚いたようである。
 どうやらリジャールさんは、ヴァロムさんと同様、凄い出自の持ち主のようだ。
「すいません、話の腰を折ってしまい。まぁそれはともかく、それで、今日は一体、どのようなご用件で参られたのですかな」
「今回、アーシャ様に話し合いの場を設けて頂きましたのは、私の住むガルテナで厄介な事が起きておるので、その報告とお願いに参った次第なのです」
「それで厄介な事とは?」
「実はですな、こちらにいるコータローさんが村を訪れた際にそれが発覚したのですが……」――

 リジャールさんは、フレイさんの事や、無垢なる力の結晶の事、そして魔の種族エンドゥラスが一連の騒動に関わっていた事等を説明していった。
 時折、俺にも話を振られる事があったので、その都度、意見を述べておいた。
 そして俺達の話を聞くうちに、ティレスさんの表情も次第に険しくなっていったのである。
 特に、エンドゥラスの事を話した時が一番嫌な顔をしていた。恐らく、ティレスさんも良く知っている種族なのだろう。

「――これが今までの経緯でございます。眠っているかも知れない幻の素材も然ることながら、性質の悪い敵が狙っておりますので、何か対策を考えないと非常に
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