Lv26 そして報告へ……
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ます。驚きましたよ。まさか、こんな所でお会いするとは思いませんでしたから。ところで、今日はどうされたのですか?」
「うん、まぁちょっと、色々との……」
「そうですか。積もる話もありますが、今は色々とお忙しいようなので、私はこれにて失礼します。もしよろしければ、帰りにでも、私の工房へ立ち寄ってください。では」
男はそれだけ告げると、この場を後にした。
と、そこで、執務室の扉が開き、ソレス殿下のような出で立ちをしたティレスさんが、姿を現したのである。
やはり、代理というだけあって、格好はちゃんとしないといけないのようだ。
「ン、どうしたのだ、グレミオ殿。誰かそこにいるのか……って、なんだアーシャか。それとコータロー君まで。一体どうしたのだ?」
「お兄様、少しお話があるのです。今、お時間よろしいでしょうか?」
「まぁそれは構わんが……。とりあえず、中に入るがいい」――
執務室は30畳ほどの広さがある細長い感じの部屋で、カーテンが開かれた幾つかの窓からは、暖かな日の光がこの部屋に射し込んでいた。
床に目を向けると、青く分厚い絨毯が全面に敷かれており、壁際にはフルアーマーの西洋風甲冑や本棚、そして絵画などの美術品が飾られていた。
天井に目を向けると、宝石をちりばめたかの様なシャンデリアがあり、外から射す日の光がキラキラと乱反射して、ゴージャスに光り輝いている。
部屋の一番奥には、光沢のある執務机があり、その手前には応接用と思われる、これまた西洋アンティーク風の煌びやかなテーブルとソファーが置かれていた。
そして、俺達が入ってきた入口の付近には、秘書と思われる白いローブ纏う女性が4人おり、今は机に向かって書類関係の仕事をしている最中であった。
ちなみにだが、机に向かい、てきぱきと書類に筆を走らせるその女性達の姿は、いかにも仕事が出来そうな雰囲気を醸し出していた。歳は20代後半から30代後半くらいだろうか。まぁその辺はわからないが、当たらずとも遠からずといったところだろう。しかも、全員、綺麗な方々であったので、ティレスさんを羨ましく思ったのは言うまでもない話である。
まぁそれはさておき、執務室の様相は大体こんな感じだ。
要するに一言で言うと、『ブルジョワ階級の仕事部屋』というわけである。
執務室に足を踏み入れた俺達は、ティレスさんにソファーの所へと案内され、そこに座るよう促された。
俺達が腰掛けたところで、ティレスさんも向かいのソファーに腰を下ろす。
と、そこで、アーシャさんはチラッと秘書らしき女性達に視線を向けた。
「あの、お兄様……できれば私達だけでお話をしたいのですが」
「やっぱり、面倒な話か……まぁいい」
ティレスさんは秘書らしき女性達に言った。
「すまないが、少し席を外してもらえ
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