暁 〜小説投稿サイト〜
Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv26 そして報告へ……
[11/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。恐らくここが、謁見の間なのだろう。
 真っ直ぐとした姿勢の良い立ち方なので、パッと見、彫像でも置かれているかと思うほどだ。相当訓練されているに違いない。
 俺達が扉に近づいたところで、衛兵の1人がアーシャさんに頭を下げ、恭しく話しかけてきた。
「これはこれはアーシャ様、ご機嫌麗しゅうございます。もしや、ティレス様に御用がおありでございますか?」
「ええ、そうですわ」
「そうでしたか。ですが、ティレス様は今こちらにおられません。恐らく、執務室の方かと思います」
「あらそうですの。わかりましたわ。ではお勤め頑張ってくださいませ」
「はッ」
 衛兵は背筋をピンと伸ばした。
 というわけで、俺達は執務室の方へと向かったのである。

 通路を更に進んで行くと、行き止まりとなった壁に白い扉があるのが見えてきた。 
 そして、その扉の両脇には、先程と同様、衛兵が2人立っているのである。
 この物々しさを考えると、どうやら、あの扉の向こうが執務室のようだ。
 俺達が扉の前に来たところで、衛兵の1人が話しかけてきた。
「これはアーシャ様、ティレス様に御用でございますか?」
「ええ、お兄様は中に?」
 すると衛兵は、困った表情を浮かべたのである。
「アーシャ様……実は今、ティレス様は来客中でして……」
 と、その時であった。
 ガチャリと執務室の扉が開き、中から、眼鏡を掛けた痩せ顔の男が現れたのだ。
 男は扉を開いたところで、中に向かって一礼をした。
「それではティレス様、工房の稼働率を上げて量産体制に入りますので、今しばらく辛抱を願います。では、これで」
「ああ、よろしく頼む」
 男は別れの挨拶を終えると、俺達のいる方向へと向き直る。
 だがその瞬間、男は俺達を見るなり、驚きの表情を浮かべたのであった。
「リ、リジャール様」
「グレミオか、久しぶりじゃな」
(どうやらリジャールさんの知り合いのよう……っていうか、グレミオって、確か魔光の剣を作った人の名前だった気が……)
 などと思いつつ、俺は男に目を向けた。
 やや短くカットした茶色い頭髪の男で、口元には無精髭を生やしていた。その所為か、少しワイルドな感じにも見える。
 歳は40代くらい……いや、もう少し若いのかもしれないが、無精髭の影響もあって、俺にはそのくらいに見えた。
 首から下に目を向けると、フードが付いた灰色のローブと右手に杖という格好であり、パッと見は魔法使いという印象を与える姿であった。
 というか、それなりの魔力を感じるので、魔法は使えるとみて間違いないだろう。
 まぁ全体的な雰囲気としては、中年の魔法使いといった感じの男だ。
 俺がそんな事を考えていると、グレミオと呼ばれた男は、リジャールさんに会釈した。
「ええ、お久しぶりでござい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ