Lv24 魔の種族・エンドゥラス
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た。
と、その時である。
左手にある通路の奥から、か細い女性の声が聞こえてきたのだ。
【そ、そこにいるのは……に、兄さんなの?】
ヴァイロンさんは即座に、声の方向に振り向いた。
「その声は……も、もしかして、リュ、リュシアか? リュシアなのか!? 何処にいるッ」
「兄さん、い、生きてたのね」
その直後、通路の暗闇から、見目麗しい、うら若き女性が現れたのであった。
女性はヴァイロンさんの元に駆け寄り、抱き着き、そして涙を流した。
「リュシアッ、探したぞ。無茶しやがって」
ヴァイロンさんもがっしりとそれを受け止める。
それは涙ぐましい兄妹の再開であった。
「よかったな、ヴァイロン」
カディスさんはそう言って、ヴァイロンさんに微笑んだ。
そして、他の皆も同様に、この2人の再開に安堵の表情を浮かべたのである。
俺はそこで女性に目を向けた。
ヴァイロンさんと同じく、ブロンドの長い髪をした女性で、パッチリとした目と、線の細い顎や鼻が特徴の凄く美しい方であった。
こんな美しい女性が街の中に歩いていたら、野郎どもは皆振り返るに違いない。事実、俺も一瞬、見とれてしまうほどだ。
衣服や装飾に目を向けると、可憐な純白のローブをその身に纏い、額には金色のサークレットを、そして、右手には茶色い杖を持つという格好をしており、また、透き通るような美しい肌をした手や指先には、金のブレスレットと銀の指輪が光り輝いていた。
質素な中にも、美しさや優雅さが垣間見える着こなしであった。
で、何が言いたいかと言うと、つまり、凄く綺麗な女性という事だ。
まぁそれはさておき、2人が涙の再会を果たしたところで、まずリュシアさんが口を開いた。
「兄さん、ごめんなさい。私、兄さんが死んだのかと思って……ついカッとなってしまって」
「いいんだ、リュシア。お前が無事なら、もうそれでいい」
と、ここで、ゾフィさんがリュシアさんに話しかけた。
「ところでリュシア。貴方、よく無事だったわね。怪我とかしなかった?」
「はい、なんとか、切り抜けてこられたので」
続いて、ドーンさんとカロリナさんが会話に入ってきた。
「そうか。でも、よく無事だった。こんな別嬪さんが、あんな化け物の手にかかるなんて事、俺も考えたくなかったからな」
「本当によかったわ。心配してたのよ」
「ありがとうございます、ドーンさんにカロリナさん」
リュシアさんは涙を拭い、2人に微笑んだ。
そして、部外者の俺も、今の会話の流れに乗る事にしたのである。
異世界的ですもんね。乗るしかない、このビッグウェーブに!
「あのぉ、リュシアさん。お初、お目にかかります。私、コータローと言いますが、少し訊きたい事があるので、幾つか質問させてもらっても構いませ
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