Lv24 魔の種族・エンドゥラス
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俺達の目の前に広がる光景……それはなんと、前方の壁が見えないくらいに天井高くまで蓄積した、掘削で出たであろう岩の山であった。
それが奥の空洞内部に積み上げられているのである。しかも、この空洞の1/3を占めるくらいの物凄い量であった。
それだけではない。まるで海を割るモーゼを思わせるが如く、岩は左右の空間に積み上げられているのである。
だが目の前にある岩は、どうやら、これまで通過した箇所の物ではないようだ。
なぜなら、色が青系じゃなく、やや茶色がかった鉱物だったからである。
さっきリジャールさんが言っていた事を考えると、これらは恐らく、この奥で採取された岩なのだろう。
そして、これらの瓦礫の山は、敵がこの坑道で何をしていたのかの証でもあるのだ。
皆が呆然と立ち尽くす中、俺は次に、奥の空洞へと繋がる通路へ視線を移した。
通路はリジャールさんの言っていたとおり、狭い通路であった。見たところ、縦が2mに横が1.5mくらいだろうか。
それから通路の入り口には、これもリジャールさんが言っていたとおり、鉄製と思われる銀色の扉が取り付けられていた。扉は両開きで、今は両方とも開ききった状態であった。
とりあえず、通路の幅や扉はそんな感じだが、俺はそれらよりも、床に溜まっている紫色の液体の方に目が行ったのである。
そう……なんと通路の床は、毒の沼地と化しているのだ。
紫色に濁った液体からはガスが湧いているのか、とろ火で煮込むカレーのように気泡が出来ては弾け、出来ては弾けを繰り返しており、見ているだけで気分の悪くなる光景となっていた。
おまけに、そのガスが周囲に漂っている所為か、鼻や喉が軽い炎症を起こしたかのように少し痛むのである。確実に、身体に良くない空気であった。
ただ、左手の通路から吹いてくる隙間風があるので、空洞内にガスが充満しないのが、唯一の救いと言えるだろう。
とまぁそんなわけで、最低な光景ではあるが、俺はこれを見た事によって、ようやく、敵の思惑というのが見えてきたのである。
この通路の奥はどんな所か分からないが、1つはっきりしているのは、俺達がこのまま奥に進めば、確実に敵の餌食になるという事だ。
だからその前に、なんとしても問題を片づけなければならないのである。
俺はそこで他の部分にも目を向けた。
見たところ、瓦礫の山と通路以外、今までと何も変わらない空洞のようであった。
それに、魔物もいないようなので、俺は皆に言ったのである。
「とりあえず、突っ立っているのもアレなので、まずはこの空洞内を調べましょう」
歯切れの悪いリジャールさんの声が聞こえてくる。
「う、うむ……そうじゃな。まずは、ここから調べねばなるまい」
その言葉を合図に、俺達は空洞の中心部へと歩き始め
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