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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv24 魔の種族・エンドゥラス
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ことにした。
 俺は話のついでに、気になっていた奥の事も訊ねた。
「あの、つかぬ事を訊きますが、一番奥にある空洞って、どういう感じなんですかね? 何か変わった特徴とかあるんでしょうか?」
「ン、一番奥の空洞か? ああ、そういえば、奥の空洞からは通路が少し狭くなっておるんじゃよ。わかりやすく言うと、今まで進んできた通路の半分以下かもしれん。おまけに天井も少し低いしの。じゃから、この真ん中に走っているトロッコのレールも、一番奥の空洞までは続いておらん。次の空洞で終わりなんじゃ」
「は、半分以下!? ちょ、ちょっと待ってください。今、トロッコの終点が次の空洞と仰いましたが、という事は、奥の空洞に入る為の通路もそうなのですか?」
「ああ、そうじゃ。じゃから広い通路は、ここから次の空洞へと繋がっておるあの通路で終わりじゃ。それと、一番奥の空洞は落盤しやすいもんじゃから、村の者が間違って入らんよう、通路の入り口に鉄の扉を設けて鍵を掛けてあるしの」
 リジャールさんの言葉を聞いた途端、俺の脳内が目まぐるしく回り始めた。
 隙間風、奥の空洞に続く狭い通路、通路に設けられた鉄の扉、十字路になった奥の空洞、未だに姿を見せない足跡の主、なぜか弱い腐った死体、リュシアさんの行方、魔の瘴気、死体を操る者、そしてあの言葉……。
 色々な疑問が浮かぶと共に、様々な仮説も浮かんでくる。
 と、そこで、リジャールさんの声が聞こえてきた。
「あ、そうじゃ! 今の質問で言い忘れていた事があったわ」
「言い忘れていた事?」
 リジャールさんは頷くと、周囲の壁に目を向けた。 
「実はの、一番奥の空洞からはラウムの鉱床ではなく、普通の岩盤になっておるのじゃ」
「普通の岩盤? では、この先で魔鉱石は採れなかったという事ですか?」
「うむ、そのようじゃ。じゃがのぅ、このガルテナのラウム鉱床は、当時、物凄く期待されていたらしいのじゃよ」
 今はあまり必要としない情報かも知れないが、とりあえず聞いておこう。
「という事は、その当時、豊富な埋蔵量があると見込まれていたのですね?」
「うむ。ここが稼働していたのは儂が生れるかなり前なのじゃが、イシュマリア城で保管されておる当時の記録には、こう書かれておった。――イシュマリア歴2746年・アムートの月 第43代国王・アスタール王の命によって、オヴェリウスから調査団が派遣され、ガルテナ連峰の魔力調査が大規模に行われた。その結果、広範囲に渡って魔力のみなぎるラウム鉱床の反応があった為、アスタール王からアレサンドラ家に採掘令が下った――とな」
「魔力のみなぎるラウム鉱床の反応ねぇ……しかし、それにしては坑道が浅いように感じるのですが」
 これは俺の正直な意見であった。
 慎重に進んでいるので時間は結構経っているが、入口からこの大き
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