Lv24 魔の種族・エンドゥラス
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わ」
リュシアは自信満々にそう言ったが、これも余裕で想定の範囲内の為、俺は奴等に微笑み返したのであった。
ヴァイロンは気に入らなさそうに口を開く。
「貴様、何がおかしい……」
「気でも触れたのかしら」
つーわけで、俺は言ってやった。
「ああ、ご心配なく。そちらの奴等は既に対処済みだから笑っているのですよ。というわけで、ベギラマ!」
俺は腐った死体達に魔道士の杖を向け、ベギラマを唱えた。
次の瞬間、杖から放たれた火炎が奴等に襲い掛かる。
高笑いするリュシアの声が聞こえてきた。
「アハハハ、貴方1人のベギラマだけでは倒せないわよ……って、エッ!?」
リュシアの笑みは、すぐに凍りついた。
なぜなら、炎が腐った死体に襲いかかるや否や、派手に燃え上がったからだ。
腐った死体達は、一気に紅蓮の炎に包まれ、動きが鈍くなっていったのである。
リュシアとヴァイロンは眉間に皺を寄せ、やや取り乱していた。
【何よこれはッ、何でベギラマ一発でここまで燃え広がるの!】
【馬鹿な! ただのベギラマに、ここまでの威力なんてある筈が……ま、まさか、お前が今まで降りかけていた液体は聖水なんかじゃなく……】
ようやく、ヴァイロンは気付いたようだ。
俺は種を明かすことにした。
「いや、聖水ですよ。ですが、非常によく燃える【油】という聖水です」
【グッ、おのれッ!】
ヴァイロン達兄妹は流石に険しい表情になっていた。
精神的にもかなり効いてるみたいだ。
乗るしかない。このビッグウェーブに!
というわけで、俺は更に追い込むべく、ハッタリかまして奴等をビビらせる事にしたのである。
「さて……次は貴方達の番です。観念してもらいますよ。こんな茶番じみた策を張り巡らせるくらいですから、貴方がたもそれほど大した事はなさそうですからね」
だが俺がそう言うや否や、ヴァイロンは慌てて懐から黒い水晶球を取り出し、床に投げつけたのであった。
するとその直後、水晶球が割れて薄い煙のようなモノが霧散し、空洞内に漂い始めたのである。
俺は直観的に思った。これは濃縮した魔の瘴気だと。
水晶球が割れたところで、ヴァイロンはリュシアに告げた。
【リュシア! 一旦、退くぞッ】
【わかったわ、兄さん!】
そして、次の瞬間!
【リレミトッ】
ヴァイロン達兄妹の身体はオレンジ色の光に包まれて、この場からフッと姿を消したのであった。
そして、俺はそれを見るなり、思わず脳内でこう叫んだのだ。
(リレミトが使えるなんて、聞いてないよぉぉぉ!)と……。
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