Lv24 魔の種族・エンドゥラス
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んも同じ意見のようだ。
「そうですか。確かに、そうかもしれませんね。わかりました。やめときます」
燃やしてしまった方がいいと思ったが、まぁ仕方ない。何か別の対策を考えよう。
さて、他の方法となると何がいいだろうか? と思ったその時だった。
また俺の脳裏に電球がピカーンと光ったのである。
というわけで俺は、周囲に聞こえないよう、隣にいるアーシャさんに耳打ちをしたのだ。
「アーシャさん、ちょっと頼みがあるんですけど」
「頼み? 何ですの?」と小声でアーシャさんも返す。
「実はですね。今からこの死体に、ある物を掛けようと思っているのですが、そのある物の事を聖水という事にしておいてほしいんですよ」
「ある物? ……何をするつもりか知りませんが、わかりましたわ」
「じゃあ、そういう事でよろしくお願いします」
俺はそう言って、腰に下げた道具袋からソレを取り出した。
「ああ、聖水ってソレの事ですのね」
まぁアーシャさんも良く知っている物なので、この反応は当然だろう。
俺は死体の衣服の上に、ソレを少しづつ降りかけてゆく。
するとそこで、ドーンさんの声が聞こえてきた。
「何してんだ、コータローさん?」
俺はドーンさんに振り向く。
ドーンさんは首を傾げてこちらを見ていた。
その隣には、同じように首を傾げるヴァイロンさんの姿があった。
「ああ、ちょっと聖水でもかけておこうかなと思いましてね。効果があるかどうかわかりませんが」
「なんだ聖水か。しかしまた、何でそんなもんをかけるんだ?」
「だって、元々死んでいる敵ですからね。また復活でもされたら嫌じゃないですか。とはいっても、これは気休めみたいなもんですがね」
「まぁ確かに、コータローさんの言う通りかもな。元が死体だから、その可能性は否定できねぇや」
納得したのか、ドーンさんは頷きながら腕を組んだ。
そして俺は、少量ではあったが、満遍なく死体達の衣服にかけ終えたところで、道具袋にソレを仕舞ったのであった。
と、そこで、シェーラさんがこちらへとやってきた。
「何をやってるの、コータローさん」
「ちょっと清めていたんですよ、聖水で。まぁ念の為にです」
「ああ、聖水ね。話は変わるけど、この死体の魔物は、私が以前見たのとは少し違うわね。ということは、やっぱり種類が違うのかも」
シェーラさんはそう言うと、俺に向かい、意味ありげに微笑んだ。
この仕草は多分、昨日話した魔物についてのものだろう。
だが、あまり触れたくない話題なので、俺は何も言わずに軽く微笑み返すだけにした。これで一応、通じる筈だ。
と、そこで、ヴァイロンさんの弱々しい声が聞こえてきたのである。
「ここに妹はいないようです……は、早く次を探さないと……」
「ああ、そうだな」
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