Lv22 仲間の決断
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いると凄く安心できるんですの」
「そ、そうですか。ははは……」
これは良くない兆候だ。思った通り、アーシャさんは俺に依存しかけている……。
原因は俺にもあるので、何か改善の策を考えないといけないようである。
「ところで、コータローさん。どこに行くんですの?」
「そうですね……とりあえず外で顔や口を洗ってサッパリしてから、村の中を少し散歩でもしようかと思ってますけど」
「じゃあ、私も行きますわ。準備しますので待っててください」
アーシャさんそう言うや否や、体を起こしてベッドから降りる。
そして、いそいそと準備に取り掛かったのである。
[W]
宿を出た俺とアーシャさんは、外にある井戸で顔や口を洗った後、朝の澄んだ新鮮な空気を体内に取り込みながら、村の中を見てまわった。
まだ日が昇り始めた頃なので、村内は若干薄暗く、そして静かであった。聞えてくるのは、周囲の森から聞こえてくる鳥の鳴き声くらいだ。
そんな村内ではあったが、村人たちの姿もチラホラと目に留まった。畑で農作業をする者や、井戸の水を汲みに来る者等である。
この光景を見る限りでは、モロに長閑な山の集落といった感じだ。が、しかし……村の守衛を務める冒険者達の姿が視界に入ると、一気に物々しい雰囲気に変わるのであった。
とはいえ、村の警備は抜かりなく行われているという事なので、この村に住む人達からするとありがたい光景なのだろう。
それから暫く村の中を歩いて回り、俺達は宿屋へと帰ってきた。
宿屋の玄関を潜ると、出掛ける時は誰もいなかった正面の受付カウンターに、初老の男が1人立っていた。
この男の顔には見覚えがあった。昨日、宿泊の交渉をした相手である。多分、この宿屋の主人だろう。
まぁそれはさてき、男は俺達を視界に収めると、ニコリと微笑み挨拶をしてきた。
「お客様、おはようございます。昨晩はよく眠れましたかな?」
俺とアーシャさんは立ち止まり、挨拶を返した。
「ええ、お蔭様で、ゆっくりと休むことが出来ましたわ」
「良い香りのする部屋だったので、気分よく休めましたよ」
俺達の反応を見て、男は満足そうな笑みを浮かべた。
「それは良かった。ところで、外から来られましたが、村の中でも散歩されてたのですかな?」
「ええ、ちょっとその辺を見て回ってきました。朝の散歩は心地いいですからね。それにここは澄んだ空気をしてますので、心身ともに充実した気分になりましたよ」
「そうでございましょう。特にこのガルテナは、木々に囲まれた集落ですので、空気も下界とは一味違いますからな。外から来られたお客様は、皆、そう仰います……とはいうものの……それも平穏があってのものですがな……」
男はそう言って、少し曇った表情になった。
恐らく、坑道に
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