Lv22 仲間の決断
[8/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、俺は覚えていない。という事は、俺が爆睡している時に、このベッドに入ってきたという事なのだろう。まぁだからといって、別に嫌というわけではないが……。
しかし、アーシャさんがこんな行動をとるという事は、まだザルマの事が頭から離れないのに違いない。
だがとはいうものの、これはあまりいい傾向ではない。
なぜなら、この先アーシャさんは、俺に依存する可能性があるからだ。
可愛い子が隣で寝てくれるので俺も悪い気はしないが、やはりそこは、心身ともに健全な状態での関係が一番望ましい。
心に傷を負ったが故のスキンシップだと、やはり、道中危ういのである。
特にこの先は、魔物との戦闘も増える事が予想される。つまり、依存する事が常態化すると、非常時に正常な判断を下せなくなる為、更に危険が迫る事になるのだ。
(はぁ……これから先、アーシャさんの心のケアについても考えないといけないか……でも、最悪の場合は……マルディラントへと帰ってもらう事も、視野に入れなければならないかもな……)
俺はそこでアーシャさんの寝顔に目を向けた。
昨日と同様、アーシャさんはすっかり安心しきった表情で眠っている。
小さく胸を上下させながら、時折、口元をムニュムニュと動かす可愛らしい仕草をしていた。見ているこっちも幸せになるような、無邪気な寝顔だ。
(安眠て感じだな……幸せな寝顔だ。まぁそれはともかく、そろそろ起きるとするか……)
俺は半身を起こして大きく背伸びをすると、そこで室内を見回した。
他の3人はベッドでまだ寝ているようであった。時折、寝返りを打ち、上にかかった毛布がモゾモゾと動く。それはまるで、いつか見た修学旅行での朝の光景のようであった。
まぁそんな事はさておき、静まり返った室内を見たところで、俺はソッとベッドを降りた。
と、その時である。
丁度そこで、アーシャさんも目を覚ましたのだ。
「あ、おはようございます、コータローさん」
アーシャさんは小声で朝の挨拶をすると、瞼を擦りながら起き上がってきた。
それから俺に、ニコリと可愛らしく微笑むのである。
俺もつられて小声で挨拶をした。
「おはようございます、アーシャさん。って……それよりもビックリしましたよ。起きたらアーシャさんが横に寝てたので」
「だって……夜中に突然目が覚めて、またアレを思い出したんですもの……」
アーシャさんはそう告げると表情を落とした。
やはり、ザルマの事が脳裏に蘇ってきたみたいである。
「そうだったんですか。でも、この部屋はアーシャさん1人じゃないので大丈夫だと思いますよ」
「コータローさん、確か一昨日の晩、こんな事を言いましたわよね。何かあった時は身を挺してでも私を守ってくれるって……私、あの言葉が嬉しかった。ですから私、コータローさんと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ