Lv22 仲間の決断
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てくるという事や、集団で現れた場合は、1つの対象に向かって集中攻撃をしてくるような事が記述してあった気がするんだよ」
確かゲームだと、そんな設定だった気がする。
しかも、集団で現れた場合は、それが地味に効いてくるのだ。特に集団戦闘時の甘い息は要注意である。
考えてみれば、腐った死体やどくどくゾンビは攻撃力は弱いくせに、それを補う手段をもっているので、決して侮れない魔物なのである。
と、そこで、シェーラさんがやや険しい表情で呟いた。
「眠りを誘う甘い息と、1つの対象に集中攻撃ねぇ。おまけに毒も持っている……確かに、それは厄介な魔物だわ」
「ああ、シェーラの言うとおりだ。もしそれが本当ならば、厄介な魔物と言わざるを得ない。しかも、死体という事を考えると、痛みを受ける事に対する恐怖心もないだろうからな」
確かに、レイスさんの言う事も一理ある。
よくよく考えてみれば、既に死んでいる死体に、痛覚なんぞは存在しないのだ。
レイスさんが訊いてくる。
「コータローさん、その他に何か特徴はあるだろうか?」
「そうですねぇ、後は眠りや幻覚系の魔法に耐性を持っているのと、結構打たれ強いってとこですかね。まぁ元が死体なんで、その辺は当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが……。でも、それらの魔物には弱点もあって、物理的な攻撃や、メラ系やヒャド系の攻撃魔法には、耐性が全くないという事が書かれてましたね。まぁとりあえず、今思い出せるのは大体こんなところでしょうか」
「どんな魔物なのかは大体わかりました。そこでお聞きしますが、コータローさんから見て、その魔物は強敵に思われますか?」と、サナちゃん。
「さぁ、どうだろうね……」
ゲームだと弱いくせに面倒臭い敵というイメージしかないので、俺は少し返答に困ってしまった。
しかし、この世界の腐った死体がゲームと同じかどうかはわからない。
おまけに、実際に確認したわけでもないので、その辺は未知数なのだ。
というわけで、俺は正直に言っておいた。
「実を言うと、その辺はよくわからないというのが、今の俺の見解かな。実際に坑道で見たわけじゃないからね……」
「そうですか……」
サナちゃんはそう言うと、目を閉じて沈黙した。
シーンとした静かな時間が過ぎてゆく。
多分、色々と考えているのだろう。
あまり悩ませるのも悪いので、俺は無理しないよう言っておいた。
「でも、サナちゃん達は無理はしなくていいよ。向こうも最悪、俺だけで構わないとは言ってくれているしね。それに、この村には冒険者の数も多いから、その辺は何とかなると思うよ」
と、そこで、サナちゃんは目を開き、レイスさんとシェーラさんに何かを耳打ちしたのである。
レイスさんとシェーラさんは互いに顔を見合わせ、少し険しい表情に
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