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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv22 仲間の決断
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審に思っている感じであった。
 仕方ない、この際だ。道中、サナちゃんとアーシャさんに話した内容をレイスさんとシェーラさんにも言っておいた方がいいだろう。この2人は口も堅いだろうから、念押しすれば他言はしない筈だ。
 それに今後、強力な魔物が出てきた時にイチイチ誤魔化すのも疲れるし、場合によっては、それが功を奏して素直に俺の言う事を訊いてくれるかもしれない。
 だがその前に……他言しないように、釘だけは刺しておこう。
「レイスさんとシェーラさんに、言っておかねばならない事があります」
「何かしら?」
「何だろうか?」
「実はここに来るまでの道中、サナちゃんとアーシャさんには他言無用というのを条件に、俺の持っている知識について話したんです。ですから、他言しないと誓って頂けるのであれば、レイスさんとシェーラさんにも、それをお話ししましょう」
 2人は互いに顔を見合わせ、頷いた。
「わかった。他言しないと固く誓おう」
「私も誓うわ」
「では、お話ししましょう……これは以前住んでいた所での話なんですが、俺はそこで、数々の魔物や魔法について書かれた書物を読んだ事があるんです。なので、その書物に記されていた魔物や魔法の知識はそれなりに記憶しているんですよ。ですが、それらはイシュマリアとかではあまり知られていない書物らしいので、俺は面倒を避ける為に、今までずっと内緒にしてきたんです」
「そういう事だったの……。確かに、その理由ならば、他言はしない方がいいわね」
 どうやら納得してくれたようだ。
 そこで、レイスさんが訊いてくる。
「では、ザルマが従えていたあの魔物達も、その書物に記されていたということなのか?」
「ええ、そうですよ。その書物には姿形も描かれていたので、魔物を見た時、すぐにわかったのです」
「そうだったのか……。すまない、コータローさん。言いにくい事を話してくれて」
 そしてレイスさんは俺に向かい、深く丁寧に頭を下げたのであった。
 だが、俺はそんなレイスさんを見た途端、少し罪悪感が湧いてきた。なぜなら、今言った内容も嘘だからである。
 自分で言っといてなんだが、嘘を吐くというのはあまり気分がいいものではない。
 しかし、だからと言って、『ここはドラゴンクエストというTVゲームのような世界なので、それに出てくる魔物の事は大体知ってますよ』などとは口が裂けても言えないのだ。
 その為、今はこう告げる以外、俺が取れる方法は無いのである。
「コータローさん、話を戻しますが、その死体の魔物というのは、毒以外の危険はないのですか?」と、サナちゃん。
「毒以外にか……。そういえば、地味なんだけど、他にも厄介な特徴が書いてあったね」
「厄介な特徴ですか」
「そう……これはうろ覚えなんだけど、毒の他に、眠りを誘う甘い息を吐い
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