Lv20 ガルテナ
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フィンドの町を出発してから、どれだけ時間が過ぎたであろうか……。
時計を持っていないのではっきりとは分からないが、もう既に7時間以上は経過しているように思える。
だが、これは当てずっぽうな数字ではない。勿論、そう考えるに足る状況証拠もあるのだ。
それは何かというと、太陽の位置である。
今はもう、日も傾き始めており、山の頂きに隠れようとしているところなのである。
この分だと、あと2時間もすれば、夜の帳が降りてくるだろう。
(ガルテナまで、あとどのくらいなんだろう……明るいうちに着けるといいが……)
俺はそこで周囲を見回した。
この辺りは草原が広がるフィンドの辺りとは違って、山や林ばかりであった。
その所為か、だだっ広い草原を移動していた時とは違い、非常に窮屈に感じた。
やはり、背の高い木々や山の姿は壁のようになってしまうからだ。
おまけに、今は日も傾いてるので、余計にそう感じてしまうのである。
また、俺達が進むこの街道にも多少の変化があった。
それは何かと言うと、路面がやや凸凹とした感じになってきているのだ。なので、当然、馬車の揺れも酷くなり、乗っている俺も気分が悪くなってくる。
そんなわけで今の俺は、吐くまではいかないが、軽い車酔いみたいな症状にも悩まされているのであった。アスファルトで舗装された日本の道路が恋しい今日この頃である。
だがこれは俺だけではない。アーシャさんやサナちゃんも同じであった。2人もこの揺れには、辟易とした表情を浮かべているのである。
まぁ要するに、今までは快適だった馬車移動も段々と厳しいモノになってきているので、俺達もいい加減疲れてきているというわけである。
だがしかし……今の俺達には、それよりも大きな懸念が1つあるのであった。
それは魔物である。わかっていた事ではあるが、やはり、山間部は平野部と比べると魔物の生息数が多いのである。
ちなみに、平野部での戦闘は1回だけであった。だが、この山間部を移動し始めてからというもの、もう既に魔物の襲撃が4回もあったのだ。ゲームでも山や森はエンカウント率が高いが、それをまざまざと見せつけられた感じである。
とはいえ、出てくる魔物はフィンドの辺りとそれほど変わらず、お化けキノコや暴れ牛鳥程度の魔物であった。落ち着いて対処すれば全く問題の無い魔物達なので、今のところ、危機的な状況には至っていない。しかし、いつ強力な魔物が襲ってくるかわからない為、俺達は常に警戒しながら、この山間の街道を進んで行かなければならないのである。
俺達は慎重に街道を進んで行く。
暫くすると、『この先、ガルテナ』と書かれた看板が立てかけられているのが、俺の目に飛び込んできた。こんな看板が出てくるという事は
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