Lv18 旅の決断
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しれない、という1点だけであった。ザルマのような魔物が刺客として送り込まれている事を考えると、今後も同様の展開が予想できる。場合によっては、ザルマ以上の強力な魔物が、刺客として現れる事も十分に考えられるのだ。
以上の事から、同行する俺達の命も、常に危険に晒される事になるのである。
これは非常に不味い状況だ。が……とは言うものの、彼等の持っている能力や旅のノウハウは、俺達にとって喉から手が出るほど欲しいモノである。
それだけではない。これは3人と話してみて分かった事だが、旅の仲間となると、技能的な部分の他にも重要な部分があるのだ。
それは何かというと……人柄である。
確かに魔物に狙われているのかもしれないが、この3人は話しやすい上に信頼できる者達だと、俺には思っているのである。
素行が悪いわけでもなく、高貴な身分だったのに高慢な態度をとる事もない。
身の上を黙っていたというのはあるが、俺が同じ立場ならそうしていただろう。
だが彼らは悪い人達ではないのだ。不幸な境遇が、そう言う決断を彼らにさせているのである。
長い間旅をする仲間という事を考えると、この部分は非常に重要な部分である。
悪人と長い間旅するのは、下手すると、魔物と遭遇する事よりも性質が悪いかもしれなからだ。
それと俺はこうも考えた。3人と仲間を解消したところで、また同じような者達と出会えるなどという保証はどこにもないと……。
まぁそんなわけで、実はもう俺の中では、粗方の答えは決まっているようなモノなのである。
問題は、そのデメリットをどうやって改善していくかという事なのだ。
俺がそんな事を考え始めてから10分くらい経過した頃、サナちゃんの寂しい声が聞こえてきた。
「あ、あの、コータローさん……やはり、仲間として旅をするのは難しいのでしょうか」
俺はサナちゃんに視線を向けた。
するとサナちゃんは、今にも泣きだしそうな、悲しい表情を浮かべていた。
「いや、もう答えは出ているんです。ですが、それによって出てくる問題点をどうしようか迷っているんですよ」
サナちゃんの頬に一筋の涙が伝う。
「という事は、やはり、駄目なのですね……」
誤解してるみたいなので、ちゃんと言っておこう。
「へ? ああ、違う違う。そうじゃないですよ。俺も貴方達と、このまま旅を続けるつもりなんですが、解決しなきゃならない問題があるので、それを今考えていたんですよ」
「エッ、そ、それじゃあ、仲間でいてくれるのですか?」
俺は頷いた。
「今から新しい仲間を見つけるといっても難しいし、それに、俺もそれほど時間に余裕があるわけではないしね」
と、その直後、サナちゃんはパァッと明るい表情になり、泣きながら俺に抱き着いてきたのであった。
「ヒィェェン、ヒグ
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