Lv18 旅の決断
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したの」と、アーシャさん。
要は外交官のことだろう。
「それはわかりましたが、危険を冒してまで、公使の所に赴く理由はなんなのでしょうか?」
すると、シェーラさんが答えてくれた。
「それは、イメリア様を保護して頂く為よ。……私達は亡きアルデミラス陛下から、ラトゥーナの血族であるイメリア様を守ってほしいと直に命を受けたわ。そして賢者リバス様からは、絶対にラトゥーナの血は絶やしてはならないとも言われた。でも……もう私達だけで、イメリア様をお守りし続けるのは厳しいのよ……。護衛についた20名の近衛騎士も、もう今では私とレイスだけ……他は皆、魔物達の餌食になってしまったわ。だから危険な海を越えて、ラミナスの友好国であるこのイシュマリアまでやってきたのよ。イシュマリアはまだ、魔物達の脅威には晒されていない平和な国だと聞いたから……」
賢者リバス……気になる人物名が出てきたが、今は置いておこう。
「そう……だったのですか」
どうやらシェーラさんの話を聞く限り、3人は今まで相当な苦労をしてきたのだろう。
この国に来るまで、生と死の狭間を綱渡りするような道のりだったに違いない。
(さて……事情は大体わかったが、これからどうするかだな……)
と、そこで、レイスさんの振り絞るような声が聞こえてきた。
「コータローさん……私達と共に、オヴェリウスまで行ってくれないだろうかッ。どうか、この通りだ」
その直後、レイスさんは、先程と同じように俺に跪いたのである。
続いてシェーラさんとサナちゃんも跪いた。
「私からもお願いします。貴方達ほどの魔法の使い手はそう簡単に見つかりません。ですから、私達と共に、イメリア様を旧ラミナス公使が住まう館まで護衛して頂きたいのです。どうか、何卒、よろしくお願い致します」
「コータローさん、お願いします。もう貴方しか頼れる方はいないんです」
(まいったな……)
俺はそこで、アーシャさんに視線を向けた。
するとアーシャさんは、俺の視線に気付くや否や、微笑んだのだ。
「コータローさんの判断にお任せしますわ。貴方は私よりも判断力に優れておりますから」
どうやら、俺に丸投げするつもりのようだ。
これは責任重大である。
「……わかりました。では、少し考えさせてください」――
サナちゃん達3人が息を飲む中、俺は暫し考えた。
このまま、サナちゃん達と行動を共にする事による、メリットとデメリットを……。
まず、この3人を仲間にするメリットは、勿論、俺達2人には無いモノを持っているという事だ。旅の経験、物理的な力や守備力、それと、これは俺と被る能力ではあるが、回復と戦闘のサポートを行える魔法技能等である。
そしてデメリットだが、それは……サナちゃんを狙う強大な魔物と遭遇するかも
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