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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv18 旅の決断
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か?」
 サナちゃんは頷き、肩を落とした。
「はい……仰る通りです」
「そうですか……。では単刀直入にお聞きします。ラトゥーナの末裔とは一体何なのですか? 魔物達がここまで執着している以上、奴等にとって都合の悪い存在というのはわかりますが、それにしては度が過ぎてます。わざわざこんな所にまで追ってくるのですからね」
 するとサナちゃんは、俯きながらブンブンと頭を振ったのである。
「そ、それが……実は、私にもさっぱり分からないのです」
「わからない?」
「はい……今、私がわかっているのは、王家の血筋が狙われているという事だけなのです。数年前、ラミナスに魔物の大群が押し寄せた時、私は魔物から逃れるべく、ここにいるレイス達と共にラミナスを離れる事になりました。その時、魔物達は至る所でこんな事を言っていたのです。【ラトゥーナの末裔は見つけ次第、全て始末しろ!】と」
 サナちゃんはそう言うと、怯えたように体を震わせて目を瞑った。
 この様子を見る限り、嘘は言ってないようには見える。
 襲われる理由がわからないというのは、多分、本当の事なのだろう。
 まぁそれはともかく、今の内容で気になることがあったので、俺はそれを訊ねる事にした。
「今、王家の血筋と言いましたが、ラトゥーナというのは王家を示す名前なのですか?」
「はい、そうです。ラトゥーナは王家を示す名前です。ちなみに、先程言った名前ですが、イメリアが私の名前で、サナルヴァンドは母方の家名、そしてラトゥーナが王家の家名になります」
 やたら長い名前だったが、構成を知ると、結構単純に聞こえるから不思議だ。
「オン・ラミナスというのは?」
「それは、ラミナスの王都メノスがあるラミュロ地方に伝わる(いにしえ)の言葉で『豊かな国の王』という意味です。そして、王位継承した国王とその家族だけが名乗れる名前であります」
「という事は、サナちゃんは……いや、イメリア様はラミナスの王女様なのですね?」
「はい……ですが、ラミナスはもう滅んでしまいましたので、今の私はもう、王女でもなんでもありません……魔物に追われる哀れな身の上の者です」
 サナちゃんはそう言うと、瞳を潤ませ、顔を俯かせたのであった。
 俺はどうやら余計な事を訊いたのかもしれない。
 恐らくサナちゃんは、今まで経験した嫌な事を思い出したのだろう。
 少し湿っぽくなったので、俺は話を変える事にした。
「では、もう1つ訊かせてもらいましょう。貴方達はなぜ、王都に向かうのですか?」
 レイスさんが答えてくれた。
「私達がイシュマリアの王都に向かう理由は、オヴェリウスに今も駐在する旧ラミナスの公使に会う為なのだ」
「旧ラミナスの公使?」
「イシュマリアとラミナスは非常に緊密な友好国でしたので、互いに国の代表者を派遣しておりま
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