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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv18 旅の決断
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が、かえって話をしにくいので、俺はそれを伝えたのである。
「あの……話は聞かせてもらいますが、こんな風にじゃなく、今まで通りでお願いします。なので、普通にしてください」
 サナちゃんは頭を振る。
「コータローさん……私達の今の姿は、貴方に非礼を働いた故の戒めなのであります。ですので、どうかこのままお話をお聞きくださりますよう、よろしくお願い致します」
「いや、だから、普通でいいですって。というか、今まで通りでお願いします」
「だがしかし……」
 レイスさんは尚も食い下がる。
 埒が明かないと思った俺は、語気を強めた。
「では私から貴方がたにお願いがあります。もし非礼を働いたと思っているのなら、俺の言う事を聞いてください。お願いします。今から話す内容は、どちらの立場が上とか、そんな話ではないんですから」
 3人はそこで、ようやく面を上げた。
「……わかりました。嫌がる事を続けるわけには参りませんので、コータローさんのご希望通りに致します」と、サナちゃん。
 少し捉え方が違うが、どうやら折れてくれたようだ。
 まぁいいや……もうこれでいこう。
「ええ、それでお願いします。俺もその方が話しやすいので」
 とまぁそんなわけで、ここから俺達の話し合いが始まるのである。

 3人がベッドに腰掛けたところで、まず俺から話を切り出した。
「では始めましょう。まず、貴方がたが何者なのか? それからお願いします」
「そ、それは……」
 シェーラさんはそこで、サナちゃんに視線を向けた。
 サナちゃんは頷く。
「……コータローさんは信ずるに値する方だと思います。ですので、それについては私から話しましょう」
「わかりました。イメリア様」
 シェーラさんは頭を垂れた。
 そしてサナちゃんは、隣の部屋に聞こえないよう、若干小さめの声で話し始めたのである。
「……私の名はイメリア・サナルヴァンド・ラトゥーナ・オン・ラミナスと申します。名前からもうお分かりでしょうが、私は魔物達に滅ぼされたラミナス王家の所縁の者でございます。そして、こちらにいるレイスとシェーラは、ラミナス王家の警護を司る近衛騎士団であった者達でございます」
「ラ、ラミナス王家ですって……」
 アーシャさんは目を見開き、驚いていた。
 勿論、俺も驚いた。が、この答えは予想していたモノでもあるので、そこまでの驚きは無かった。
「やはり、そうでしたか……。ザルマとの会話を聞いた時から、高貴な存在なのではないかとは思っていたのです。とはいえ、まさか王族とは思いませんでしたがね」
「今まで黙っていて申し訳ありませんでした。ですが、私達は……いえ、私は、どうしても嘗ての身分を偽る必要があったのです」
「ラトゥーナの末裔を始末する事が任務……そうザルマは言ってましたが、それです
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