Lv18 旅の決断
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してたけど、ザルマの気配には気付かなかったのか?」
「いや、気配には気付いていた。だが、魔物に変化する前の奴からは、魔の気配というモノを感じなかったのだ」
魔の気配を感じなかった……一体どういう事だ。
「じゃあ、人の気配としては感じていたのか?」
「ああ、そうだ。だから、奴があのような魔物に変化した時、我は声に出さなかったが、凄く驚いたのだよ。あそこまで強力な魔物の場合、相当濃い魔の瘴気が漂う場所でないと、活動すること自体が厳しいであろうからな」
「は? 活動すること自体が厳しいって……どういう意味だ?」
これはゲームにも出てこない話であった。
「ふむ……ヴァロム殿もそうであったが、その様子だと、コータローも知らんようだな」
「ヴァロムさんも? 一体、何の話だ?」
「いいだろう。今後の為にも、コータローには説明しておこう……この世界に住まう生きとし生けるものは、地上に漂う清浄な気を取り込むことで、その生命を維持している。だが、魔物というのは基本的に、魔の世界の穢れた瘴気を取り込むことで生命を維持しておるのだ。まずそれを頭に入れて、これからの話を聞いて欲しい」
「ああ、わかった」
恐らく、空気の事を言っているのだろう。
オッサンは続ける。
「今言ったように、魔物が生きる為には穢れた魔の瘴気が必要だ。だが、それはあくまでも基本的な考え方というだけであって、当然、全ての魔物に当てはめることは出来ない。事実、力の弱い魔物は、この地上界で、何不自由なく生きてゆけるからな。この辺りにいる弱い魔物が良い例だ。だが、力のある魔物は、そういうわけにはいかんのだよ」
確かにゲームだと、強い魔物と弱い魔物の生息場所はハッキリと分かれていた。が、それはあくまでゲームの進行上の話であって、こんな設定ではなかった気がする。
もしこれが本当ならば、この世界特有の現象なのかも知れない。
「という事は……ある一定の力を持った魔物の場合は、その力を振るう為に、それ相応の魔の瘴気が必要になってくるという事か?」
「うむ、その通りだ。そして強力な魔物になればなるほど、それに応じた魔の瘴気がないと生きては……いや……生きては行けるが、本来の力は発揮できぬのだよ」
早い話が、強力な魔物がいる場合は、濃い魔の瘴気も必ず漂っていると言いたいのだろう。
「つまり、あれか。あの強力な魔物と化したザルマの場合、この辺りに漂う程度の薄い魔の瘴気では、普通なら動く事すら難しいって事か?」
「その通りだ。いや、それだけではない。奴の周りにいた魔物達にしてもそうだ。あの魔物達も、この辺りにいる魔物と比べると明らかに強すぎる。だから、我はそこがわからんのだよ。あの時現れた魔物達は何かが変なのだ……」
「確かにそれが本当なら、おかしな話だね……」
ラーのオッサ
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