Lv17 フィンドの町
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思っていたのである。
それにドラクエVでは、実際にそういった魔法や道具が出てくるので、あながち無いとも言い切れないのだ。
太い木の前に来た俺は、そこで馬の気配がないかを暫し探ってみた。
10秒、20秒……俺は静かに聞き耳を立てる。
すると、馬の息づかいのような「ブルッ」という音が、付近から小さく聞こえてきたのである。
俺は確証を得る為に、その辺を少し手で探ってみた。
すると生暖かい何かがそこにあったのだ。
これはもう姿が見えないだけという現象で確定のようだが、問題はどうやって見えるようにするかである。
(さて……これを見えるようにするには、どうすればいいんだろうか……ゲームだと、歩いているうちに効果が消えたけど……ン?)
と、そこで、アーシャさんが俺の隣にやってきた。
「コータローさん……先程、奇妙な動きをしてましたけど、何かわかりましたか?」
俺は何かがある箇所を指さした。
「アーシャさん、この辺に手を伸ばしてもらえますか」
「ここですか……って、なんですのこの感触は!?」
流石にアーシャさんも驚いたのか、ビックリして手を引っ込めた。
「そうなんです。見えないだけで、ここには何かがあるんですよ」
ここで、ラーのオッサンの囁くような声が聞こえてきた。
「コータローよ……他の者達に見えぬよう、我を表に出せ。この魔法を解いてやろう」
「ラー様、そんな事ができますの?」と、アーシャさん。
「フン、我を誰だと思っておる。こんな下らないまやかしなど造作もない事よ」
まぁ仮にもラーの鏡だし、当たり前か。
などと思いつつ、俺は皆に見えないよう、服の内側あるラーの鏡を表に出したのである。
「じゃあ、頼むわ」
「うむ」
その直後、ラーの鏡はカメラのフラッシュのように、ピカッと一瞬だけ眩く光った。
すると次の瞬間、今まで姿すら見えなかったものが、突如、目の前に出現したのだ。
目の前に現れたのは2頭の馬と2台の馬車であった。
馬車の1台は、荷物が沢山積まれた荷馬車だったので、恐らく、ロランさんのモノなのかもしれない。
まぁそれはさておき、オッサンがまやかしを解いたところで、皆の驚く声が聞こえてきた。
「エッ? どういう事?」
「嘘ッ!」
「何をしたんだ? 突然、現れたぞ……」
向こうが少しざわつく中、俺は急いでラーの鏡を胸元に仕舞う。
そして、ロランさんをここに呼んだのである。
「ロランさん、ちょっと来てくださいッ」
「は、はい」
ロランさんは返事をすると、足早にこちらへとやってきた。
俺はそこで、ロランさんに確認をした。
「ここにある馬や馬車は、貴方とザルマの物で間違いありませんか?」
「はいッ、間違いありません。これは私の荷馬車です。それから、この馬と
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