Lv16 黒き魔獣
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ければならない。
そう考えた俺は、次の指示をだそうとアーシャさんとサナちゃんに視線を向ける。
と、その時であった。
なんと、黒い霧に覆われていたザルマから、赤い閃光が迸ったのである。
またそれと同時に、周囲を覆っていた黒い霧は、霧散するかのように消え去ったのだ。
俺は恐る恐るザルマに視線を向けた。
「なッ!」
そして俺は驚愕したのである。
なぜなら、そこにいたのは黒き魔獣と化したザルマだったからだ。4本の腕と4本の脚、ライオンを思わせる頭……そう、ザルマはアームライオンと見紛うばかりの魔獣になっていたのである。
全体的な見た目は黒いアームライオン……それが俺の第一印象であった。が、しかし、色はアームライオンと全く違っていた。
ザルマの全身はどす黒い体毛で覆われており、頭部には周囲を縁取る真っ白な鬣が生えていた。またその首には、ソフトボール大の黄色い玉が付いた、首輪のような物がぶら下がっているのである。
そんな外見の所為か、俺は一瞬、八つ裂きアニマルかとも思ったが、よくよく考えてみれば、八つ裂きアニマルは灰色の体色に赤い鬣だった気がする。なので、今のザルマは、それとはまた別の存在のようだ。が、そう考えた次の瞬間、俺は嫌な記憶が蘇ってきたのである。
それは、ドラクエWに出てきたキングレオという中ボスモンスターの事である。
キングレオもアームライオンの色違いモンスターだった上に、元は人間だったように俺は記憶している。となると、今のザルマはそれと同種の可能性もあるのだ。
だからだろうか……俺の目には、今のザルマが、得体の知れない強力な魔物に見えて仕方がないのである。
姿を現したザルマは不敵な笑みを浮かべる。
と、そこで、イオラを喰らった他の魔物達も、のっそりと起き上がってきた。
【クククッ、不意打ちとは卑怯ですね。ですが、貴方がたの判断は間違って――】
まだ話している途中だったが、俺はザルマを無視して構わず魔法を唱えた。
【イオラ】
さっきと同じように爆発が発生する。
【グボァァ!】
ザルマは踏ん張って耐えていたが、他の魔物達は更に吹っ飛んだ。
(これで魔物達が死んでくれるといいが……)
俺はそう考えたが、暫くすると、アームライオンはヨレヨレとだが起き上がってきたのである。
予想してた事だが、やはり、イオラ2発程度では仕留めきれなかったようだ。
しかし、オークとキラーエイプはまったく動く気配を見せなかった。
どうやらこの2種類の魔物には止めを刺せたようだ。
少しホッとしたが、悪い状況には変わりない。
俺は更に奴らを追い込むべく、アーシャさんとサナちゃんに次の指示を出した。
「アーシャさんはレイスさんにスカラを。それとサナちゃんもシェーラさんにスカラをかけて
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